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2026/10/09

Startup Portfolio

フォールトトレラント量子コンピューターを構築する"Oratomic"がSeries Bで$475Mを調達し評価額は$5.5Bに拡大

Oratomicは、ARCH Venture Partners、Spark Capital、Khosla Ventures、Index Ventures、General Catalyst、Bezos ExpeditionsがリードしたSeries Bで$475Mを調達し評価額は$1.5Bから$5.5Bに上昇しました。3ヶ月前のSeries Aで$300Mを調達してるため、累計調達額は$775Mとなりました。

世界初のフォールトトレラント量子コンピューターの構築を使命とするOratomicは、実用的な量子コンピューティングを実現するために設計された中性原子方式のハードウェアと量子誤り訂正アーキテクチャを開発しています。同社は、フォールトトレラント量子コンピューター(耐故障性量子コンピューター)の構築に専念しています。

今回の資金調達により、Oratomicは科学者およびエンジニアリングチームのさらなる拡充、研究施設の整備、量子コンピューターの構築に必要なシステムの開発を進めます。

再構成可能な中性原子アレイを活用するCalifornia州拠点のOratomicが$475Mを調達した一方、モジュール型のトラップイオンシステムを開発する英国拠点のUniversal Quantumは、Series Aで$100M超を調達しました。

Universal Quantumは、トラップイオン技術を活用した専用チップを開発しています。この技術では、電場によって所定の位置に保持された帯電原子を量子ビットとして利用します。量子ビットは量子コンピューティングにおける基本的な論理状態であり、計算において1と0の役割を果たします。従来のコンピューティングとは異なり、量子ビットは重ね合わせ状態を取ることができ、1と0の両方の状態を同時に保持できます。また、量子ビット同士を量子もつれ状態にすることも可能で、一方に対する操作や測定が、もう一方の状態と相関するようになります。

Universal Quantumのビジョンは、これらのチップを活用してモジュールを構築し、実用的かつ製造しやすい方法で拡張することで、フォールトトレラント量子コンピューティング(耐故障性量子コンピューティング)を実現することです。同社は独自技術を用いて、量子ビットからチップレベルに至るまでエラーを分離・制御することで、システムの高い効率性と拡張性を実現しています。これにより、従来型コンピューティングの制御ユニットを量子チップ層に直接統合することが可能となり、処理速度の向上とノイズの低減につながります。

ノイズの低減と誤り訂正は、量子コンピューティングにおけるフォールトトレランスの実現に不可欠です。これは、個々の量子ビットが極めて壊れやすいためです。量子ビットを生成・操作することは可能ですが、そこから情報を読み取ることは容易ではありません。また、温度変化、電磁気的な影響、振動、さらには宇宙線由来の粒子など、外部からのわずかなノイズによっても情報が失われる可能性があります。より多くの量子ビットを接続し、より高速に読み取ることで、システム全体のエラーをさらに低減できるようになります。

Oratomicは、中性原子を利用しています。これは量子ビットを生成するための異なるアプローチですが、同様に高い可能性を持つ技術です。同社もまた、拡張可能でフォールトトレラントな誤り訂正型量子コンピューティングに注力しており、業界の一般的な想定よりも少ない量子ビット数で誤り訂正を実現することを目指しています。現在、商業的に意味のあるフォールトトレランスを実現するには、約100万量子ビットが必要とされることが多いものの、その推計には幅があります。Oratomicは、わずか10,000量子ビットでも高い忠実度を維持した量子コンピューターを構築できると考えています。

Oratomicの共同創業者兼CEOであるDolev Bluvsteinも、商業的に実用可能な量子コンピューティングの実現競争において、低コストで製造できる実際に動作するコンピューターの構築が重要であると強調しています。

「私たちは、どのようなビジネスモデルが成立するのか、まだ分かっていません」と同氏はWall Street Journalに語っています。「具体的にどのような用途が生まれるのかも、正確には分かっていません。しかし、私たちが確信しているのは、低コストで製造可能な、実際に動作するコンピューターを構築できるという転換点を越える必要があるということです。その段階に到達して初めて、量子コンピューティングは真に実用的な技術になるのです。」

市場調査会社McKinsey Insightsのレポートによると、量子コンピューティングは、既存産業における用途での活用や新たな用途の創出を通じて、2035年までに世界全体で最大$2.7Tの経済価値を生み出す可能性があります。同社の調査では、2025年に世界全体で$1B超の売上高が生み出されており、2028年には$4.4B超に成長する可能性があることが明らかになりました。

量子コンピューティングの開発企業は、創薬、材料科学、金融モデリング、産業最適化などの用途をターゲットとしています。これらの分野では、量子コンピューティングの計算能力を活用できるアルゴリズムを中心に、商業的な機会や研究開発の可能性が追求されています。

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