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ClimateTechのRedoxblox、ロケット・太陽光・蓄電のトップ人材を迎え産業電化を加速
産業向け熱エネルギーを電化するサーモケミカル蓄熱技術を手がけるRedoxbloxは、生産体制の拡大と市場展開の本格化に向け、エンジニアリング、オペレーション、グローバルセールスの各領域で3名の幹部を新たに迎えたと発表しました。今回就任したのは、Vice President of EngineeringにBryson Gentile、Vice President of OperationsにWilette Nguyen、Vice President of Global Sales and MarketingにMark Babcockです。GentileはAstraでロケット・宇宙船エンジン製造を率い、IPOまでスケールさせた経験を持つほか、その前はSpaceXでFalcon 9の製造エンジニアリングチームを初期開発から再使用ロケットの実用化までリードしてきた人物です。NguyenはRondo EnergyでVP of Business Operationsを務めたほか、グローバルEMSのFlextronicsでグローバルイノベーションおよび設計・エンジニアリング部門のディレクターを歴任し、15年以上にわたりオペレーション全般のスピードと再現性を高めてきました。BabcockはPowinのChief Revenue Officerとして世界の営業・セールスオペレーションを統括し、その前にはMaxeon Solar TechnologiesでCROおよび暫定CEOを務め、SunPower、SunEdison、Flexなどで太陽光およびエネルギー貯蔵分野の収益組織を率いてきた実績があります。
RedoxbloxのCEOであるPasquale Romanoは、「世界で最も重要な産業が、私たちのサーモケミカル技術を待っています」と述べ、これら3人の参画が、製造・サプライチェーン構築から高温エンジニアリング、グローバル営業まで、市場投入の実行力を一気に高めると強調しています。同社のサーモケミカル蓄熱システム(TCES)は、希少資源や地政学的リスクの高い素材に依存せず、豊富でリサイクル可能な材料を用いることで、産業向けにレジリエントな脱炭素熱源を提供することを目指しています。電力が安価で豊富な時間帯に高速で充電し、必要なときに最大1450℃の高温熱として放出して既存の産業プロセスに直接供給する仕組みで、現在化石燃料由来のプロセス熱の7割超を占めるとされる産業熱を電化しつつ、既存インフラを大きく作り替えることなくコスト削減と排出削減を両立できる点が特徴です。
同社は、食品・飲料、化学、金属、セメントなど幅広い産業分野に向けて、来年の商用導入を目指した初期プロダクトを開発中であり、モジュール化されたコンテナ型の設計により、現場での大掛かりな建設工事や長期停止を必要としない「プラグ&プレイ」の導入を打ち出しています。新たにVP of Operationsに就任したNguyenは、「低コストかつ低排出の熱をスケールして産業に届けるには、技術だけでなく実行戦略の最適化が不可欠です」と語り、モジュラー設計により複雑な現場工事や大規模改修が不要になると説明しています。VP of Engineeringに就任したGentileは、「Redoxbloxの“バッテリー”は、クリーンで信頼性が高く、国際競争力のある次世代製造業の土台になる」と述べ、排出と長期的な経済性への懸念が高まるなかで、産業顧客の競争力維持に貢献したいとしています。VP of Global Sales and MarketingのBabcockは、「産業顧客は、実際に使っている温度レンジで機能し、かつ複雑さを増やさないクリーンな熱源を求めています。Redoxbloxの技術は、それを新たな業界標準として定着させる大きな商機を持っています」とコメントし、グローバル展開への意欲を示しています。
Redoxbloxについて
Redoxbloxは、産業用熱エネルギーの電化を実現する新しいクラスのサーモケミカル蓄熱システム(TCES)を開発するスタートアップです。モジュール化されたコンテナ型システムで電力を「熱」と「化学」の形で最大1450℃まで蓄え、化石燃料ボイラーと同等の熱量をシンプルなプラグ&プレイで供給できるよう設計されています。電力が豊富で安価な時間帯に高速充電し、需要ピーク時に柔軟に放熱できる特性により、産業エネルギーの新たなプラットフォームを目指しています。Prelude Ventures、Khosla Ventures、Breakthrough Energy Ventures、Imperative Ventures、New System Venturesといった投資家に支えられ、San Diegoを拠点に産業向けエネルギー貯蔵の未来を切り拓いています。
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