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SpaceTech企業ASTERRA 地球上のリチウム鉱床の位置特定が可能に
イスラエルのスタートアップ企業ASTERRA社の衛星画像解析ソフトは、もともと火星の地下水脈を発見するための技術でしたが、このたび宇宙から地表のリチウム鉱床を検出することができるようになりました。リチウムは、電気自動車、半導体、チップ、携帯電話など、電池があるところならどこでも使われている鉱物で、現在、ハイテク製造市場で最も人気のある鉱物の1つです。ASTERRA社は、この技術を使って世界中のリチウム貯留層を発見するという新しい用途で特許を登録し、現在も水の探索能力を開発中です。
2015年以来、70カ国以上で使用されているASTERRAのソリューションは、高度なアルゴリズムと人工知能を用いて、独自の地中貫通周波数を用いて人工衛星の合成レーダー(SAR)データを解読します。創業者のローレン・ガイのマネジメントのもと、ASTERRAは2022年初めにCTOオフィス(現在はガイが指揮)を立ち上げ、技術の用途をさらに垂直方向に広げ、地中の他の天然資源を見つけることを目指しています。同社は、リチウムの需要が高まり、現在の供給不足から、まずリチウムに力を入れることにしました。リチウムへの関心が高まっている背景には、中国、米国、欧州連合が、内燃機関自動車に比べて環境負荷が少ない電気自動車の販売を促進する国家プログラムを実施していることがあります。リチウムは電気自動車の構成に重要な役割を果たしているため、リチウムの利用可能量が増えれば、電気自動車の価格にプラスの影響を与える可能性があります。
ガイ氏は、現在の市場でリチウムが提供する価値について次のように説明しています。「リチウムの世界的な需要は飽和状態にあり、供給危機は深刻で、今後10年から20年の間にさらに増加すると予測されています。ASTERRAではこれは始まりに過ぎないと感じており、この技術によって、人類が地球に与えるサインをより理解することができると信じています。」
ASTERRA社のCEOであるElly Peretz氏は、リチウムの採掘量が増加すれば、電気自動車への切り替えや、より汚染度の高い自動車からの脱却を促進できると付け加えました。
「これは、イスラエルのイニシアチブと知識が、気候危機との戦いの最前線にあることを示すもうひとつの証拠だ。この重要な科学的発見をした社員と経営陣の皆さん、おめでとうございます。私たちや子どもたち、未来の世代のために、よりよい未来を求める妥協のない戦いの先頭に立つ企業を率いることができ、誇りに思います。」とPeretz氏は述べました。
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