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2025/11/14

Startup Portfolio

AI音声のElevenLabs、Michael CaineとMatthew McConaugheyと提携しAIボイスクローンを正式ライセンス

Oscar俳優のMichael CaineとMatthew McConaugheyが、AIによる音声クローン技術を手がけるElevenLabsと提携し、自身の声を公式に複製・活用できるライセンス契約を結んだことが明らかになりました。Caineは声明で、ElevenLabsは「人間を置き換えるためではなく、讃えるためにイノベーションを使っている」と述べ、「声を代替するのではなく、広げること。世界中の新しいストーリーテラーの扉を開くことだ」と強調しています。一方McConaugheyは、以前から関係を築いてきたNew York拠点のスタートアップElevenLabsへ出資していることも明かし、今回の契約により、自身のニュースレターをスペイン語で読み上げる音声など、多言語でのコンテンツ展開が可能になるとしています。契約の詳細な金額や条件は開示されていません。

 

2022年創業でNew Yorkに本社を置くElevenLabsは、当初は映画やオーディオブック、ビデオゲームなどの音声を、話者の声や感情を保ったまま多言語に吹き替える技術としてプラットフォームを立ち上げました。しかし一般向け公開後の2023年1月には、同社が「ボイスクローンの不正利用ケースが増加している」と認め、悪用を抑制するために有料ユーザーへの機能制限など、追加のセーフガードを導入すると表明しています。その後も、2024年にはデジタルコンサルタントがElevenLabsのソフトウェアを使い、当時の米大統領Joe Bidenの声を模したロボコールをNew Hampshireの有権者に大量送信する事例が発生し、AI音声の悪用リスクが改めて浮き彫りになりました。こうした経緯を受け、同社は現在、有名人や公的立場にある人物の声については本人の同意なしにクローンが作られないよう、追加のブロック機能や監視体制を整備したと説明しています。

 

今回のCaineとMcConaugheyとの提携は、本人同意に基づく公式ライセンスという形でAI音声技術を活用する動きであり、クリエイターが自らの声を管理しながら、新たなストーリーテリングや多言語展開に活用するモデルの一例と言えます。一方で、過去の不正利用事例が示すように、ElevenLabsを含むAI音声業界全体には、イノベーションと悪用防止を両立するための透明性とガバナンスが引き続き求められています。

 

ElevenLabsについて
ElevenLabsは、AIを用いた高精度な音声合成・ボイスクローン技術を開発するNew York拠点のスタートアップです。話者固有の声質や抑揚、感情を保ったまま、多言語での読み上げや吹き替えを可能にするプラットフォームを提供し、映画、オーディオブック、ゲーム、広告など幅広い領域で活用されています。一方で、音声なりすましなどの悪用リスクに対応するため、セキュリティ機能や同意管理を強化し、本人承諾に基づくライセンスモデルの構築を進めながら、クリエイターや企業が安全かつ柔軟にAI音声を活用できる環境づくりを目指しています。

 

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