AIブラウザのStrawberry、自己駆動型ブラウザで「セルフドライビングな仕事環境」を加速

ブラウザ内にAIコンパニオンを組み込んだエージェント型ブラウザを開発するStrawberryは、資金調達ラウンドで$6Mを獲得したと発表しました。リード投資家はGeneral CatalystとEQT Venturesで、Lovable、Supabase、Hugging Faceの創業者も参加しています。同時にStrawberryは新機能を搭載したブラウザのアップグレード版も発表しており、まずは一部ユーザーへのアーリーアクセスから開始し、その後毎月オンボーディング対象を拡大していく予定です。Strawberryが狙うのは、大企業向けの高額・長期導入プロジェクトとは対照的に、フリーランサーやスタートアップ、中小企業が「すぐに使える」AI環境です。既存の多くのAIツールは専門知識を前提とし、これまでのワークフローを捨てることを強要したり、ブラウザから切り離された独立の画面にユーザーを閉じ込めてきました。StrawberryはAIをブラウザそのものに埋め込み、ユーザーごとの働き方に合わせて振る舞いを変える「インテリジェントなワークスペース」を提供することで、このギャップを埋めようとしています。CEO兼Co-founderのCharles Maddockは、「ブラウザは誰もが毎日使い慣れているツールです。そこに強力なAI機能を最初から組み込むことで、自動化を誰にとっても身近なものにしたい。今回の資金調達により、現代のナレッジワーカーが“やりたい仕事”に集中し、雑務をスキップできるようにするというミッションをさらに前進させます」とコメントしています。

今回の資金は、Strawberryのベータコミュニティと連動した高速なプロダクト改善を支えるため、エンジニアリングとデザインの採用・組織拡大に充てられます。同社は、ブラウザ環境の中でAIコンパニオンが複雑なマルチステップのワークフローを自律的にナビゲートできるよう、より高度なエージェント機能の開発を進めており、市場調査の自動化やパスワード保護されたプラットフォームを横断したリードジェネレーションなどのユースケースを想定しています。General CatalystのPartnerであるYuri Sagalovは、「ブラウザはAIのフロントラインになりつつあり、Strawberryはその中心にいるチームです。ユーザー中心のデザインと、Charlesがコミュニティを巻き込む力が、急速に変化するこの市場で価値を獲得するための優位性になると考えています」と語ります。EQT VenturesのPartnerであるSandra Malmbergは、Strawberry創業前からMaddockと対話を重ねてきたとし、AIへの情熱と先見性に惹かれたとコメントしています。同じくPartnerのGustav von Sydowは、グローバルスケールを前提とした野心や、優秀な人材を惹きつける力から、最初の投資家になる決断は容易だったと述べています。

StrawberryはノーコードでAIアシスタントを作れるアプローチが、すでに市場での強い手応えにつながっているとしています。初期ユーザーは、競合調査やセールスプロスペクティングなど多様な用途にカスタムコンパニオンを展開しており、プロダクトはProduct Huntで「Product of the Day」「Product of the Week」に選出されました。ベータユーザーからは「これまで試したどれとも違う」という声も寄せられており、味気ないコーポレート向けAIツールから、機能性と“人格”を兼ね備えたパーソナライズドな相棒へとシフトする流れの象徴といえます。Strawberryは、タブを無数に行き来したり、ツール間でデータをコピー＆ペーストしたり、同じメッセージの文面を何度も書き分けるといったルーチンワークを、ブラウザ内でAIと協働して進められる体験に置き換えることで、「AIと並んで働くこと」の意味を再定義しようとしています。

Strawberryについて
Strawberryは、「自動運転するブラウザ」を掲げ、誰もが本当にやりたい仕事に集中できるよう残りの作業をAIに肩代わりさせることを目指すスタートアップです。Stockholm発の同社は、深い技術バックグラウンドを持つチームによって創業され、開発者だけでなく一般ユーザーにもAIの力を届けることをミッションとしています。プラットフォームは、無数のタブ切り替えやツール間のデータ転記、スプレッドシートの更新、メッセージのバリエーション作成など、日常的なデジタル作業をブラウザ内で自動化し、ユーザーごとのワークフローやコンテキストに適応するインテリジェントなワークスペースを提供します。