Startup Portfolio
英国発のソブリン・インフラストラクチャレイヤーを構築する"Valarian"がSeries Aで$50Mを調達
Valarianは、New Enterprise Associates(NEA)がリードし、Lightbank、XTX Markets、Sequel、LitVCに加え、エンジェル投資家も参加したSeries Aで$50Mを調達し、これまでの累計調達額は$70Mとなりました。このラウンドは、NEAにとって欧州における初の防衛およびデュアルユース分野への投資となります。
英国拠点で高リスクオペレーションおよびAI駆動システム向けのソブリンインフラストラクチャレイヤーを構築するValarianは、重要アプリケーション、AIシステム、運用ワークロードの通信方法、データアクセス、運用方法について組織が制御権を維持できるよう支援するとともに、インフラストラクチャレイヤーでガバナンスを強制します。
欧州の防衛支出は2025年に€392Bへ到達しました。一方で、重要システムおよびAIインフラが少数のプロバイダーへ集中する流れは、クラウドコンピューティングだけでなく、インテリジェンスレイヤーそのものへと広がっています。
これまでソブリンレベルの制御は、防衛機関や一部の厳格に規制された組織が独自に構築した専用インフラによって実現されてきました。しかしAIが業務上不可欠な存在となるにつれ、その要件はあらゆる組織に共通するものとなりつつあります。Valarianは、このような制御を現代のソフトウェア環境へもたらすインフラストラクチャレイヤーを構築しています。
技術的には、Valarianは重要アプリケーション、AIシステム、運用ワークロードが稼働する環境全体に対して、ワークロードレベルのガバナンスを提供します。組織は、それらのシステムがどのように通信し、データへアクセスし、運用されるかを継続して管理できます。一方で、ガバナンスはインフラストラクチャレイヤーで強制され、展開されるすべての機能へ自動的に継承されます。
「欧米の政府機関や重要組織におけるインテリジェンスレイヤーは、静かに、契約ごと、部門ごとに、それらの組織自身が管理できないシステムへと集約されつつあります。私たちがValarianを立ち上げたのは、主権とは後から追加できる機能ではなく、最初から設計しなければならないアーキテクチャだからです。今回の資金調達によって、そのアーキテクチャを最も必要としている組織へ、まさに必要なタイミングで提供するための資金を確保できました。」とValarianのCEO兼共同創業者であるMax Buchanは述べています。
重要システムのソブリン運用に対する需要拡大を受け、今回調達した資金は以下2つの展開領域の加速に活用されます。
・Valarian Enterprise
AIおよびその他の高リスクワークロードを導入する企業向けサービスです。ワークロードレベルのガバナンス、システムの分離(コンパートメント化)、運用管理機能を提供します。
・Valarian Defence
ソブリン国家および防衛プログラム向けサービスです。制御が絶対条件となるミッションクリティカルなワークロードを対象としています。
NEAの投資戦略は、市場が新たなインフラレイヤーを必要とするタイミングで基盤インフラ企業へ投資することにあります。Valarianを欧州初の防衛・デュアルユース投資先に選定したことは、ソブリンインフラがまさにその新たなレイヤーであるというNEAの明確な見解を示しています。
「AI時代における本質的な問いは、どのAIモデルが勝つかではありません。インテリジェンスが動作する環境を誰が支配するのかということです。Valarianは真に防衛レベルのアーキテクチャによってその問いに答えています。これはNEAにとって欧州初の防衛・デュアルユース投資ですが、ソブリンAI時代に必要となる制御インフラレイヤーをValarianが構築しているからこそ投資を決定しました。」とNEAのPartnerであるMustafa Neemuchwalaは述べています。
今回の$50Mの資金調達は、英国政府の最高レベルからも支持を受けています。これはValarianの取り組みが、経済競争力と国家安全保障の両方に関わる重要な位置付けにあることを示しています。各国がAIを導入するかどうかではなく、そのAIが依存するインフラを引き続き自国で制御できるかどうかが、現在の重要な論点となっています。
「今日、AIはハードパワーとソフトパワーの双方を左右する決定的な通貨となっています。私たち自身の価値観に基づき未来を切り拓くためには、英国独自のソブリンAI能力を構築することが不可欠です。Valarianのような英国の先進企業は、私たちが直面する課題を正しく理解し、より安全でより強い英国の実現に貢献するソリューションを開発しています。今回のような投資は、英国がAI開発の最前線に留まり続けることを支援するとともに、Sovereign AI FundやAI Hardware Planなどを通じて進めている英国AI競争力強化の取り組みを補完するものです。」英国AI・オンライン安全担当大臣であるKanishka Narayanは述べています。
このシグナルは防衛分野でも同様に重要です。NATO加盟国がAI活用能力への投資を急速に拡大する中、それらの能力が最終的にどのインフラへ依存し、そのインフラを誰が支配するのかという問題は、調達部門だけではなく国家安全保障会議レベルの課題へと移行しています。
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