Startup Portfolio
HealthTechのClarium、AI駆動型サプライチェーン最適化技術の拡大に向けシリーズAで2700万ドルを調達
医療業界初のAI駆動型サプライチェーン強靭化プラットフォームを展開するスタートアップ企業Clariumは、シリーズAでNorthzoneが主導する2700万ドル(約38億円)の資金調達を完了しました。このラウンドには既存投資家のGeneral Catalyst、AlleyCorp、Kaiser Permanente Ventures、Texas Medical Center Ventures、1984 Venturesも参加しています。今回の調達によりClariumの累計資金調達額は4300万ドルに達しました。同社は調達した資金を活用し、医療機関向けサプライチェーンの効率化と、経済・環境リスクによる不確実性への対応をさらに進めます。
現在の医療業界では、サプライチェーンの非効率性やデータの分断により、年間250億ドル以上が無駄になっています。自然災害やパンデミック、関税などの影響が深刻化する中、サプライチェーンの脆弱性は重要な医療サービスの提供に悪影響を及ぼしかねません。Clariumのプラットフォームは、医療機関や供給業者、ベンダーからのデータを収集・統合し、世界初となるAI駆動型のサプライチェーン強靭化プラットフォームを実現しています。このプラットフォームはリアルタイムで気象・地政学・社会情勢データを分析し、潜在的なサプライチェーンの混乱を予測すると同時に、代替手段の提示によって混乱を未然に防ぎます。同社の主力製品である「Astra OS」を導入した病院では、問題解決の速度が50%向上、代替品承認の速度は88%向上し、1病院あたり平均で1000万ドル以上のコスト削減に成功しています。
創業者でCEOのSteve Liou氏は、「医療機関が直面する財政的圧迫を背景に、サプライチェーンの非効率性は深刻化しています。ClariumはAIを活用し、病院のサプライチェーンの効率化、コスト削減、患者ケアの向上を目指しており、今回の調達資金を用いて全米の医療機関へのサービス拡充を加速します」と述べています。またYale New Haven Healthのサプライチェーン責任者、Jacqueline Epright氏は「Clariumは病院のニーズを正確に理解し、最新技術で効率的なサプライチェーン管理を可能にしています。コスト削減と患者ケアの質向上に大きく貢献しています」と語っています。今回の資金を受け、ClariumはAstra OSのさらなる機能開発や新たなソリューションの拡充、人材の増強を進める計画です。
Clariumについて
ClariumはAIを駆使した医療機関向けサプライチェーン管理プラットフォーム「Astra OS」を提供する企業です。2020年にSteve Liou氏によって設立され、Yale New Haven Health、Stanford、Geisingerなど大手医療機関を顧客に持ち、統合データ管理、インサイト提供、自動化されたワークフローを実現しています。これまでの資金調達総額は4300万ドルにのぼります。