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AnalyticsのSigma Computing、Data Appsを発表しBIから統合型ワークフローに進化
Sigma Computingは、新たな「Data Apps」を発表しました。これにより、ノーコードで開発したカスタムアプリを通じて、セールス予測や財務計画などのビジネス機能をより高度にサポートできます。従来のダッシュボードやレポートは、ユーザーが情報を参照し、自ら解釈してアクションを起こすものでしたが、多くの場合静的であり、更新作業も手動で、BI環境と現場のアクションが分断されがちでした。
Sigma ComputingのData Appsは、データ収集とインサイトの生成、さらにアクションまで一括して実行できるプラットフォームとして機能します。主要機能として、Sigma Computingのスプレッドシート型インターフェースに加え、クラウドデータプラットフォームとの自動書き込み(write-back)、ノーコードによるレイアウトテンプレート、そしてアクションを自動化する仕組みが用意されています。これにより、従来のダッシュボードよりも用途を特化させたアプリケーションが生まれ、単なる情報提示にとどまらず、ユーザーが即座に対応策を取れるようになります。
TreeHive Strategyの創業者兼代表であるDonald Farmer氏は、「Data Appsは、一般的なダッシュボードよりもシナリオに特化した分析を提供することで、非専門家でも簡単に学習・活用ができる」と評価しています。Sigma Computingのクラウドベース分析の強みは、ExcelやGoogle SheetsのようなスプレッドシートライクなインターフェースにAIエンジンを組み合わせ、深いデータ探索を可能にしている点です。
企業のIT環境ではSaaSが乱立し、ツール間の切り替えは開発者やアナリストに大きな負担となっています。Enterprise Strategy Group(Omdia)のアナリストであるMike Leone氏によれば、Data Appsの登場は、ダッシュボード内でリアルタイムのアクションを実行できる新しいワークフローを確立し、不要なツールの切り替えを減らし、意思決定の速度やガバナンス、セキュリティを高める効果があるといいます。
Sigma Computingのディレクター・オブ・プロダクトであるStipo Josipovic氏は、Data Appsの特徴として、ユーザーがスプレッドシート形式の親しみやすい操作で高度な機能を使える点や、クラウドデータプラットフォームとのデータの行き来を簡素化する点を挙げています。たとえば経費承認などの承認フローをData Apps上で完結できるようになり、ツールを行き来する煩わしさを排除できます。Write-back機能により、クラウド上のデータをリアルタイムで更新できるのも大きなメリットであり、Farmer氏はこれがData Appsの価値の要であると指摘しています。
Sigma ComputingはTableauやMicroStrategy、Qlikなどと競合する新興ベンダーですが、2024年5月に2億ドルのベンチャー資金を調達し、注目を集めています。Donald Farmer氏は、他社製品との統合や機能アップの方向性に不満を抱くユーザーがSigma Computingを選ぶ例も増えていると述べ、リアルタイムコラボレーションや直観的な操作性が顧客の支持を得ていると評価しています。
今後、Sigma ComputingはData Appsをさらに強化し、高速かつ容易な書き込み(write-back)プロセスの向上や、現在対応していないGoogle BigQueryなどへのコネクタの拡充、アクセスコントロールの強化や新たなデータ型のサポートなどを予定しています。Farmer氏は、Data Appsとエージェント型AIの連携が実現すれば、単なるアクションの自動化を超え、さらに高度なビジネスプロセス知能につながる可能性を示唆しています。
Sigma Computingについて
Sigma Computingは、クラウドネイティブなアナリティクスを提供する次世代のAnalyticsスタートアップです。スプレッドシート型の操作性と強力なAIエンジンを融合し、ビジネスユーザーが自律的にデータを深く分析できるプラットフォームを展開しています。最新の「Data Apps」機能は、ビジュアル化やレポート作成だけでなく、リアルタイムでのデータ書き込みやワークフローの自動化などを一体化し、企業の意思決定からアクションまでのプロセスを大きく加速させる取り組みを進めています。
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