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企業向けAIチャットボットのMistral、収益が3倍増の中、新製品「Le Chat」を発表
フランスのAIスタートアップMistral AIは、企業向けに新たなチャットボット「Le Chat」を公開しました。今回の製品発表は、同社の収益が急増する中で行われました。共同創業者兼CEOのArthur Mensch氏は、Reutersに対し、「この100日間でビジネス規模は3倍に成長し、特にヨーロッパおよび米国外の市場で大きく伸びました。米国内での成長も非常に速いペースで進んでいます」と述べています。
今回発表された「Le Chat」は、今年2月にリリースしたオープンソース版アシスタントの法人向けバージョンです。MicrosoftのSharePointやGoogle Driveなどのコンテンツ管理システムと連携可能で、企業は自社のクラウド環境で同製品を利用でき、Mistralにデータ管理を依存する必要はありません。Mistralの企業評価額は60億ドルですが、収益の詳細は非公開です。一部の報道では、昨年の収益は約3000万ドルと推定されています。
Mensch氏は今年初め、バルセロナで開催されたMobile World Congressでのインタビューで、同社が今後発表するAIモデルはDeepSeekの最新バージョンを超える性能を実現すると語っていました。PYMNTSのCEOであるKaren Webster氏は、最近の記事で「OpenAIなどが開発する大規模言語モデルは、単なる親しみやすいチャットボットの域を超え、ユーザーが150語程度のプロンプトを入力するだけで商品の購入を完結させるような、AIによるショッピングアシスタントへと急速に進化しています」と述べ、こうした動きがリテール業界の根本的な変革をもたらす可能性を指摘しています。
Webster氏によれば、今後の消費者行動は、これらのプラットフォームがどのように収益化を図るか、また消費者に提示する商品をどのような基準で選ぶかという2つの重要な課題にかかっています。「こうした疑問にどう答えるかによって、AIチャットボットが真の意味でのパーソナライズされたコマースを提供するのか、それとも現在のような『有料広告型』の検索・購買プラットフォームの高度版にとどまるのかが決まります」と指摘しています。
Mistralについて
Mistral AIは、フランス発のAIスタートアップ企業で、大規模言語モデル(LLM)を中心に、オープンソースおよび法人向けのAIチャットボットやアシスタントを開発しています。高度な自然言語処理技術を活用し、企業が効率的に業務を自動化し、生産性を向上させるためのAIソリューションを提供しています。
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