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FinTechのStripe、暗号資産ウォレットのPrivyを買収しインフラを強化へ
アイルランドを拠点とするフィンテック大手Stripeは、米国の暗号資産(クリプト)ウォレット提供企業Privyを買収したと発表しました。買収金額は公表されていません。この買収によりStripeは、暗号資産関連サービスのインフラ強化を進める狙いです。
2021年に創業したPrivyは、外部サービスを介さずにユーザーを安全にブロックチェーンに接続し、スムーズな取引を可能にするウォレットのインフラを提供しています。同社の顧客には、レストラン向けのロイヤルティプログラムを展開するBlackbirdや、従業員への報酬をステーブルコインやトークンで支払う雇用プラットフォームTokuなどがあります。Privyはこれまでに7,500万以上のアカウントをサポートしており、取引総額は「数十億ドル規模」に達しているとしています。Privyの創業者であるAsta Li氏とHenri Stern氏は、Stripeとの統合についてブログ上でコメントを発表し、両社が「法定通貨(フィアット)と暗号資産を統合することで、両者の区別をなくす」ことを共通の目標に掲げていると述べています。今回の買収はその目標達成を加速させるものになるとのことです。Privyは今年初めに、Ribbit Capitalが主導し、Sequoia CapitalやCoinbaseが参加した資金調達ラウンドで1,500万ドルを調達したばかりで、これまでの累計調達額は4,000万ドルを超えます。ただし、評価額は公表されていません。
Stripeは昨月、新たな暗号資産関連サービスを複数発表しており、特にステーブルコインを活用した金融口座サービスが注目されています。ステーブルコインは、法定通貨など安定資産に紐づけられ、価格の安定性を保つ暗号資産です。これにより、企業はステーブルコイン残高を管理し、クリプトと法定通貨の両方で資金を受け取り、世界各地へ送金することが可能になります。Stripeは2018年に暗号資産サービスを一時停止しましたが、昨年約6年ぶりにサービスを再開しました。その際にはステーブルコインプラットフォームのBridgeを11億ドルで買収しており、同社史上最大の買収案件となりました。Bridgeは最近、Visaと提携し、世界初のステーブルコインウォレットと連動した銀行カードを提供しました。このカードを利用することで、消費者が購入する際、ウォレットからステーブルコインを引き落とし、現地通貨に変換して支払う仕組みです。
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