ETFおよびファンド向けソリューションを開発するFinTechの"NaroIQ"がSeedで€5.85M超を調達

NaroIQは、MagneticとRedstoneがリードし、既存投資家のGeneral Catalystが参加したSeedで€5.85M超を調達した。

2022年に設立されたドイツ・ケルンを拠点とするFinTechのNaroIQは、デジタルインフラを用いて、企業が自身のETFやファンドをより高いデジタル機能とコスト効率で立ち上げ・管理できるようにしています。モジュール式のテクノロジープラットフォームにより、NaroIQはファンドプロバイダーや運用会社によるETFおよびファンド市場へのアクセスを民主化し、コストを削減することで最終的に投資家の利益に貢献すると主張しています。

NaroIQは、米国に支配されているETF市場に対抗する独立したヨーロッパの代替手段を構築しており、小規模なファンドプロバイダーがETF市場に参入することを可能にしています。

ヨーロッパのETFおよびファンド市場が過去最高の資金流入を記録する中、NaroIQは、旧式の手動プロセスがイノベーションと市場への広範なアクセスの障壁となり、資産が一部のプロバイダーに集中する原因になっていると述べています。

NaroIQのETFおよびファンド向けソリューションは、この課題に直接取り組むことを目的としています。デジタルインフラプラットフォームは、新しいETFやファンド商品の立ち上げや既存商品の管理にかかるコストを削減します。これにより、より迅速な市場投入、柔軟なプロダクト開発、そして初期投資の低減が実現します。

「私たちは世代に一度の転換期を目の当たりにしています。今後10年でETFがリテール市場においてミューチュアルファンドに取って代わるでしょう。これはマージンが大きく縮小することを意味します。技術的なソリューションなしでは、スケールの優位性を持つ大規模なファンドプロバイダーのみが生き残り、市場における力と富の集中が懸念される状況になります。当社のデジタルファンドインフラは競争の場を公平にし、小規模なファンドプロバイダーや運用会社が自身のETFやファンド商品を収益性高く提供できるようにします。それによって、投資家は引き続き多様な投資オプションや革新的なアイデアの恩恵を受けることができます。」とNaroIQの共同創業者兼CEOは説明します。

EFAMAによれば、ヨーロッパのUCITSおよびAIF市場は総額€22.9兆の資産規模を持ちますが、その大部分は旧式のインフラに基づいています。Ernst & Youngによる最近の調査では、ファンドのアセットサービス市場のデジタル化度は5点満点中1.6点と評価されています。これがマージンへの大きな圧力を生んでいます。

矛盾は明らかです。アセットマネージャーの運用資産(AuM)は過去5年間で8.8%増加していますが、利益はわずか0.7%の増加にとどまっていると、戦略コンサルティング会社zebの最近の調査は示しています。

そのため、NaroIQは市場が柔軟でデジタルなソリューションを求めており、運用コストを削減する必要があると考えており、自社のモジュラー型テクノロジーでそのニーズに応えようとしています。

「基盤的な金融サービスが依然として手作業や断片的なバックエンドプロセスに依存している中、NaroIQのデジタルインフラは、効率性、リアルタイムな透明性、コスト削減を実現するために不可欠です。同社のAPIファースト、クラウドネイティブなプラットフォームは、業界で最も痛みの大きいワークフローに対応しており、NaroIQがヨーロッパおよびそれ以外でファンドサービスにおける次のイノベーションの波をリードする立場にあることを示しています。」とMagneticのFounding Partnerは述べています。

NaroIQはまた、ヨーロッパのETF市場が抱える「重大なパラドックスと構造的弱点」を解決すると主張しています。すなわち、世界最大級のETF市場でありながら、少数のプレイヤーに支配され、強力なヨーロッパ発のETF管理者が存在しないという点です。

同社によれば、上位5社のETF発行者が市場シェアの75%を占め、米国の発行者がヨーロッパのETFの3分の2を運用し、5分の4を管理しているとのことです。NaroIQはこのギャップを埋め、「Made in Europe」のより強靭で高性能なファンドインフラを構築し、小規模なファンドプロバイダーや運用会社がETF市場に参入できるようにすることを目指しています。

今回の資金は、特に技術開発および規制ライセンスの取得に投資される予定です。NaroIQは、今年中に最初のパートナー統合を主要なマイルストーンとして発表する計画です。