カナダ拠点で映像生成技術を開発する"Peripheral Labs"がSeedでた$3.6Mを調達

Peripheral Labsは、Khosla Venturesがリードし、Daybreak Capital、Entrepreneurs First、Transpose Platformが参加したSeedでた$3.6Mを調達した。

2024年に設立されたカナダを拠点とする映像生成技術を開発するPeripheral Labsは、ボリュメトリック映像生成の活用し、スポーツのプレーをさまざまな角度から視聴できるようにし、まるでビデオゲームの中にいるような体験を可能にします。この中核技術では、多数のカメラを使って映像を3Dで撮影し、誰もが異なる視点から映像を見られるようにします。Peripheral Labsは、この技術をリーグやチームにとって手頃な価格にすることで、より多くの放送事業者やファンに届けることを目指しています。

複数のレポートによると、特定のスポーツにおいてライブ観戦の視聴数が減少しており、特にGen Zの間でその傾向が顕著です。この課題を解決するため、リーグや放送事業者は、さまざまな視聴体験、スタッツ、分析を提供することで、ファンにとってより魅力的なスポーツ体験を作ろうとしています。

同社によると、ボリュメトリック生成というアイデア自体は新しいものではありません。しかし、新しいAIモデルやコンピュータビジョンの進歩により、この技術は大衆向けに提供できる段階に来ているとPeripheral Labsの創業者たちは確信しています。

Peripheral Labsの創業者は、自動運転車での経験を生かし、ロボティクスの知覚技術や3Dビジョンの概念をスポーツ映像の3D再構築に応用しています。このシステムにより、必要なカメラ数を100台以上から最少32台まで削減でき、コストと運用負荷の低減につながると述べています。同社は、チームや放送事業者向けのハードウェアコストを可能な限り低く抑え、プラットフォームについて複数年契約を結ぶことを目標としています。

このソフトウェアプラットフォームは、自動運転車と同様に奥行きを伴ってシーンを捉える独自のセンサースタックを使用し、選手の生体力学データやチーム・リーグ向けのスタッツを提供します。これにより、フォトリアルな3D再構築技術を用いて、放送事業者やファンがプレーの視聴方法を新たに制御できるようになります。例えば、ボールを持っている選手だけを追跡することも可能です。また、試合中のある瞬間を停止し、ファウルや重要なプレーの場面をさまざまな角度から確認することもできます。

「市販のカメラを使用していますが、ロボティクスやMLの経験と組み合わせてパッケージ化する点が、プラットフォームとしての優位性や、小規模な練習施設から大規模なサッカーやフットボールのスタジアムまでスケールできる強みになっています」とPeripheral Labsの創業者は述べています。

ソフトウェア面では、指の動きを含むさまざまな関節を観測し、屈曲を測定できるとしています。例えば、上記の2人がフットボール(サッカー)をしている動画では、膝や足首の屈曲が測定されています。これにより、コーチは選手の体のポジショニングや柔軟性について新たな知見を得ることができ、改善に役立てられます。

Peripheral Labsは、プロダクト開発やGo-to-marketの助言など、さまざまな分野で支援できるVCを慎重に選んだと述べています。同社には10人のエンジニアがおり、コスト削減、システムのレイテンシ低減、3D再構築の解像度向上を目的として、プラットフォームおよびハードウェア開発を中心に人員を増やす計画です。

Peripheral Labsは、提携先について公表はしていませんが、北米の複数のチームやリーグと協議中であると述べています。同社は、スポーツ向けボリュメトリックキャプチャ分野でArcturus Studiosなどのスタートアップと競合しています。