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2025/08/25

Startup Portfolio

貨物版Uberのような形でライドシェア型貨物モデルを開発する"Oway"がSeedで$4Mを調達

Owayは、Y CombinatorとGeneral Catalystが参加したSeedで$4Mを調達した。

San Francisco拠点で貨物版Uberのような形でライドシェア型貨物モデルを開発するOwayは、貨物と空きトレーラーのスペース、そして便利な配送先(もしくは小さな迂回地)をマッチングします。また、Owayは貨物に関わる標準的な出荷および保険関連の書類作成も自動化しています。

毎日、アメリカの高速道路網を走る何千台ものセミトラックには、ある秘密があります。それは、トラックの積載量が約半分しか使われていないということです。この非効率性は、数十Bドル規模のビジネスチャンスを意味します。Uber FreightFlock Freightのような一部の企業は、すでにドライバーと商品の販売企業をマッチングさせるビジネスモデルの一環として、この機会を追いかけています。

Owayは、特に非効率な長距離輸送ルートに焦点を当てた、より狭いビジネスモデルを追求しており、それはまさに貨物版Uberのような形です。しかし、このスタートアップは、アメリカ経済に影響を与えるほど大規模にスケール可能だと信じています。

2023年に設立されたOwayは、すでにアメリカ国内でパレット1個の輸送コストを50%削減できる手法を開発済みです。その方法は、新旧の技術を巧みに組み合わせたものです。

もちろんAI、特にOwayが開発した機械学習に加えて、Owayのライドシェア型貨物モデルを可能にしているのは、トラックに搭載されている「electronic logging devices (ELDs)」です。

ELDsは約10年前から政府によって義務化されており、紙のログブックを排除することでトラック輸送の安全性と効率性を高めるために導入されました。これにより、ドライバーや出荷業者が運転時間の上限規制を回避するのが難しくなり、理論的には疲労の軽減に繋がるとされています。

一方で、このデバイスは監視が過剰だと懸念するドライバーもおり、安全性向上の効果が、むしろ攻撃的な運転の増加によって相殺されているというデータも存在します。

それでもなお、Owayのビジネスの中核にあるのがこのELDsです。なぜなら、このデバイスにより、トラックの現在位置をリアルタイムで追跡できるからです。

この情報をもとに、Owayは出荷業者と協力して、すでに計画されているルートの近くの配送先を特定できます。そして、トレーラーに空きスペースがあれば、顧客は通常の費用の一部で貨物をそのスペースに積むことができます。

結果として、OwayはLos AngelesからDallasまで、2,000ポンド未満のパレットの輸送コストを、約$350から$140まで下げることができると主張しています。

「国を横断して物を移動させるのに、50フィート以上あるトラックをまるごと借りる必要なんてないはずです。もしあなたが100ポンドを超える箱1個を国内で輸送したいだけなら、現在のテクノロジーでそれは可能なはずです。これが今、アメリカが抱えている大きな問題なんです。」とOwayの創業者は述べています。

このミスマッチが、高い輸送コストや消費者価格につながるだけでなく、排出量の増加やドライバーのアイドル時間増加も引き起こしています。Owayはこの問題を解決できると信じており、すでに数千台の車両を保有する大企業とも提携しています。ただし、それらの企業との関係は現在非公開とのことです。

Owayのビジネスモデルは、アメリカにおける貨物トラック輸送の2つの主要モデルの利点を組み合わせたものです。

1つ目は「full truckload」と呼ばれ、トレーラー全体を一社が使い、出発地から目的地まで一気に配送されます。配送は迅速ですがコストは高くなります。

2つ目は「less-than-truckload」と呼ばれ、複数の出荷業者が1台のトラックを共有する形です。コストは抑えられますが、複数のトラックや倉庫を経由するため時間がかかります。

Owayは「full truckload」のスピードと「less-than-truckload」のコスト効率・柔軟性を両立できると約束しています。さらに、長距離ルートを直行することで、途中で積み替えが発生しないため、貨物の損傷リスクも低減されます。

Owayはこれらを「分散型」で行っており、トレーラー全体のスペースを買い取るのではなく、運送業者や他のブローカーとも連携しています。

他国の企業からもすでに関心を得ていますが、Owayは現在アメリカ市場に集中しています。理由は、従業員が12人と少人数であること、そしてアメリカがトラック輸送に極めて依存しているためです。

「トラック輸送は数兆ドル規模の産業で、空きスペースの問題だけでも$100B規模の課題です。今後10年間でアメリカの商取引および物流分野にとって非常に変革的な動きになると考えています。なぜなら、これが今後、ほとんどのビジネスが物を動かす標準的な手段になると信じているからです。」と同氏は述べています。
 

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