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LLMのOpenAI:DevDayでChatGPTミニアプリ、Soraの公式キャラクター出演、AMDとの戦略提携、AgentKitを発表
OpenAIは10月6日のDevDayで、ChatGPTを従来のQ&A型チャットボットから「OS的」体験へ拡張する一連の新機能を発表しました。ChatGPT責任者のNick Turley氏は、OpenAIが今後「OSのように感じられる存在」になる可能性に言及。目玉は、ChatGPT内で動作するサードパーティ製ミニアプリ、動画・音声生成アプリSoraへのフィクションキャラクターの公式出演、AMDとの大規模コンピュート戦略提携、そして開発者向けのエージェント構築ツール群「AgentKit」です。
まず、ChatGPTはSpotify、Canva、Figma、Coursera、Zillow、Expediaなどのアプリとチャット内で直接やり取りできるようになりました。プロンプトにアプリ名を書くだけで、そのアプリが応答します。Uber、DoorDash、Instacart、OpenTable、Target、Peloton、Tripadvisor、AllTrailsなども順次対応予定で、年齢確認やコントロールの実装後には18+アプリのサポートも計画されています。開発者はプレビュー版SDKでアプリを作成・申請でき、TelegramやDiscordのミニアプリ、そしてWeChat型の“スーパーアプリ化”に近い体験がChatGPT内で可能になります。
Soraでは、ビデオ内にフィクションキャラクターが「公式コラボ」として登場できる仕組みの導入を計画中です。Soraチームを率いるBill Peebles氏は、カメオ的な出演が「ロードマップにある」とXで認め、無許可・不適切な生成を抑止するための規制付き運用に言及しました。
インフラ面では、OpenAIがAMDを「コア戦略コンピュートパートナー」に位置づけ、最大6ギガワットのGPU性能をデータセンターに展開する提携を発表。2026年後半にInstinct MI450 GPUの1ギガワット導入から開始し、複数世代で拡張します。AMDはこの取引が将来的に数百億ドル規模の収益に寄与し得ると説明しています。OpenAIはこれに先立ち、NVIDIAとも少なくとも10ギガワットの「Vera Rubin」システム導入で基本合意しており、こちらは最終合意待ちです。Sam Altman氏は、AMDの高性能チップによりAI計算能力を拡大し、先端AIの開発と普及を加速できると強調しました。なお、Financial Timesによると、Jony Ive氏と進める“画面のないAIデバイス”は量産に必要な計算資源不足など技術課題に直面しており、今回の大型提携がその解決に資する見込みです。さらにOpenAIは、開発者がAIエージェントを設計・検証・運用できる「AgentKit」を発表しました。ノーコードに近いビジュアルなAgent Building、サイトに埋め込めるカスタムチャットUI、評価や追跡のためのツールを備え、エージェントの本番運用を容易にします。これらの発表は、ChatGPTのリンク一覧からの検索を超え、回答・実行・購入までを対話内で完結させる次世代のユーザー体験に向けた大きな一歩です。小売・広告・検索の各分野において、AI主導の新しい発見・購入動線への対応が重要性を増すとみられます。
OpenAIについて
OpenAIは、対話型AI「ChatGPT」やマルチモーダル生成モデル群を開発するAI研究・提供企業です。安全性・ガバナンス・信頼性を重視した設計思想のもと、会話、検索、マルチモーダル生成、エージェント運用までをカバーするAPIとプロダクトを提供し、企業・開発者・一般ユーザーの生産性向上とAIの社会実装を推進しています。
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