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BioTechのDewpoint Therapeutics、Wnt依存がんを狙う世界初の経口コンデンセートモジュレーターDPTX3186でIND受理
Dewpoint Therapeuticsは、腫瘍内のWnt/β-cateninシグナルを選択的に遮断する経口のコンデンセートモジュレーター(c-mod)DPTX3186について、米FDAへの治験届(IND)が受理されたと発表しました。年内に第1例の投与開始を予定し、転移性胃がんなどWnt駆動性腫瘍を対象とする複合Phase 1/2試験を、主要がんセンターと共同で実施します。今回のINDは、創薬・開発大手のEvotecとの協業の成果でもあり、同社のINDiGO®プラットフォームを通じて非臨床・規制・CMCの統合支援を受け、Dewpoint独自のc-mod創薬基盤から生まれた新規候補を臨床準備完了レベルへ迅速に橋渡ししました。CEOのAmeet Nathwani氏は「Evotecの科学的厳密さと機動力が、コンデンセート由来の新機序を概念段階からINDへと導いた」と述べています。
DPTX3186は、β-cateninを腫瘍細胞内の“非活性コンデンセート”へと局在化させることで、従来のWnt標的薬を悩ませてきた毒性の壁を回避する、空間制御に基づく新機序を採用しています。薬理に直結したコンデンセート特異的バイオマーカー戦略も組み合わせ、早期の薬力学的シグナルを高精度に読み取る設計です。CSOのIsaac Klein氏は「歴史的に“創薬困難”とされた経路に、分化した安全性プロファイルをもつ経口小分子c-modで挑む。初回投与はコンデンセート生物学にとって画期となる」とコメントしています。最初の試験では、DPTX3186単剤の安全性、薬物動態、予備的有効性を主に転移性胃がんで評価し、その後、併用療法や他腫瘍種への拡大コホートを予定。EvotecのCSOであるDr. Cord Dohrmann氏は「次世代サイエンスと厳格な実行力の融合が、クリニックへの道のりを確実にした」と述べています。DewpointはBayer、Novo Nordisk、Mitsubishi Tanabe Pharmaとの戦略提携や、AI/MLを活用した統合技術基盤を背景に、腫瘍領域のみならず神経変性、呼吸循環、代謝疾患へとパイプラインを拡げています。
Dewpoint Therapeuticsについて
Dewpoint Therapeuticsは、バイオモレキュラー・コンデンセート生物学を基盤に、未充足医療ニーズの高い疾患に新規治療を開発する臨床段階のバイオテックです。コンデンセート機能の破綻が関与する多様な疾患に対し、従来“undruggable”とされた高価値標的の機能制御を可能にする新たな介入点を提示。AI/MLを備えた最先端の統合技術を中核に、腫瘍・神経変性・呼吸循環・代謝など複数領域で創薬を推進し、Bayer、Novo Nordisk、Mitsubishi Tanabe Pharma Corporationとの協業を通じて、コンデンセート生物学の医薬応用を加速しています。
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