血圧インテリジェンスのHilo、英国の血圧実態を可視化する初のレポートを発表　「見えない心血管リスク」と知識格差が浮き彫りに

Aktiiaの医療グレード連続血圧インテリジェンスプラットフォーム「Hilo」は、英国における血圧認知と行動の現状を分析した初の報告書「UK Blood Pressure Report: A Nation Under Pressure」を公開しました。本レポートは、2,000人の英国成人を対象にした全国代表調査と、約9,000人のHilo長期ユーザーから得た匿名化生理データという2つのデータセットを掛け合わせることで、「人々が何を知っているか」と「実際にどう行動しているか」のギャップを明らかにしたものです。その結果、低い認知度、受診・対策の遅れ、大きな社会経済的格差が絡み合う“静かな心血管危機”に英国が直面している実態が浮き彫りになりました。

主な結果として、「高血圧（hypertension）」という用語を聞いたことがあり意味も理解している人は全体の47％にとどまり、世界の脳卒中・心筋梗塞の半数超に関与する重要な疾患であるにもかかわらず認知が不十分であることが示されました。自己申告で「高血圧と診断された」と回答した人は25％でしたが、政府統計では成人の約3分の1が高血圧と推計されており、約10ポイント分の診断ギャップが存在します。16〜24歳の若年層の約4割が「高血圧には明らかな自覚症状がある」と誤解している一方で、実際には無症候性であることが多い点も浮かびました。さらに、腎疾患、糖尿病、血管性認知症など他疾患との関連についての認知は全体的に低く、低所得層・低学歴層では血圧に関する知識、測定頻度、生活習慣の取り組みが一貫して低いことも明らかになっています。全体の7割以上が「直近1カ月に血圧を測定していない」と回答し、とくに若年層ほど測定していない傾向が見られました。

一方で、Hiloの長期ユーザーデータは、行動変容の可能性を示す重要なシグナルも示しています。一般的な集団で50歳以上に見られる収縮期血圧の加齢性上昇カーブが、「継続的に自分の血圧をモニタリングしている人々」では抑えられ、場合によっては逆転しているパターンが確認されました。これは、日常的に自分の血圧パターンに触れることが行動・生活習慣の変化につながり、長期的リスクを低減しうることを示す実世界エビデンスといえます。GPでITV「This Morning」のresident doctorでもあるDr Zoe Williams氏は、「高血圧は恐れるべきものではなく、『数字を知るべきもの』です。数字を知ればこそ、人はより健康的な選択ができるようになります」と述べ、「知識とモニタリングが行動を変える」というレポートのメッセージを強調しています。

AktiiaのCEOであるStefan Petzinger氏は、「英国が血圧をどう理解し、どう対処しているのかを事実ベースで把握する必要があると考え、この調査を実施しました。結果は衝撃的でした。認知は低く、行動変容は稀で、多くの人が自分でもよく理解していないリスクを抱えたまま生活しています」と述べ、「高血圧は決して複雑なテーマではないが、十分に話題にされていない。それを変える必要がある」と訴えました。AktiiaのCo-Founder兼Chief Technical OfficerであるJosep Solà氏も、「世論調査とHiloの長期データを組み合わせることで、認知の低さが受診や対策の遅れにつながり、結果として長期リスクを押し上げている構図が見えてきました」と述べ、教育・啓発・アクセスしやすいモニタリングの重要性を強調しています。英国・アイルランド高血圧学会（BIHS）のPrevention Partnerとして、Hiloは今後も継続的にデータとインサイトを提供し、国全体の高血圧対策と早期介入の推進に貢献していくとしています。

Aktiiaについて
Aktiiaは2018年に設立され、スイス・ヌーシャテルに本社を置く、連続・カフレス血圧モニタリングのグローバルリーダーです。高度な光学センサー技術と独自アルゴリズム、データドリブンなインサイトを組み合わせることで、「世界最大のサイレントキラー」とされる高血圧の管理を個人と医療従事者がより良く行えるよう支援します。同社の技術は臨床的に検証され、医療機器としてFDAクリアランスおよびCEマーキング（クラスIIa）を取得しています。フラッグシップ製品であるHilo Bandは、手首装着型ウェアラブルと連携アプリを通じて、連続的かつ容易で正確な血圧測定を提供し、現在12カ国以上で展開されています。Aktiiaのミッションは、イノベーションとアクセシビリティ、科学的厳密性に基づき、世界の血圧管理を変革することです。