Startup Portfolio
水を使わずに消化できる音響消火システムを開発する"Sonic Fire Tech"がSeedで$15Mを調達
Sonic Fire Techは、The O.H.I.O. Fundがリードし、Khosla Venturesが参加するSeedで$15Mを調達しました。同社は以前、2025年10月に$3.5Mを調達していました。
水を使わずに消化できる音響消火システムを開発するSonic Fire Techは、数秒以内に火を消し止めると同時に、水や化学薬品による厄介な物的損害を回避することができます。Sonic Fire Techの音響消火システムでは、音響発生装置を使用して、天井に設置されたPVCパイプを通じて人間には聞こえない音を送り出します。室内のセンサーが火災を検知すると音響発生装置が作動し、約20Hzの超低周波音が炎に照射されます。
100年以上にわたり、防火は水と化学薬品に限られてきました。これらは壊滅的な火災を防ぐことができる一方で、後片付けに多額の費用がかかる場合があります。Sonic Fire Techはそれを音を利用した防火システムで代替しようとしています。
今回の新たな資金は、Ohioを拠点とする同スタートアップの従業員増員や、全米各地の消防当局が採用するモデル規定を策定しているNational Fire Protection Associationから承認を得るために必要な一連の試験の実施に充てられます。
承認には通常約3年かかりますが、Sonic Fire Techの共同創業者兼CEOのGeoff Bruderは、Sonic Fire Techの承認プロセスは「それより大幅に短くなる」と考えていると述べました。
同氏が楽観的に考えている理由の一つは、Sonic Fire Techのシステムでは消火後に後片付けが発生しないため、プロセスを迅速化できると見込まれることです。試験は研究施設で実施され、準備に数時間かかる場合があります。Sonic Fire Techのシステムであれば、「後片付けをする必要がありません」とBruderは述べました。
研究施設でのこの利点は、実際の現場でも大きなメリットをもたらす可能性があります。例えば業務用厨房では、火災後の清掃や復旧に数カ月かかる場合があります。そのうち約75%が営業を再開できないと、Sonic Fire TechのCOOであるRemington Bixby Hotchkisは述べています。
「付随的な損害を発生させることなく、自ら消火手段を生み出す技術は私たちだけです。私たちにとって誤報はそれほど大きな問題ではありません。数秒以内に作動します。」とHotchkisは述べました。
この迅速な対応によって、大きな被害が発生する前に火災を食い止められる可能性があり、保険業界も関心を示しています。同スタートアップは、このシステムの導入によって保険料の割引対象となるかどうかについて、保険会社と協議しています。保険業界に受け入れられれば、同社製品の普及が加速する可能性があります。
このシステムは、消火が最も困難な火災の一つであるリチウムイオンバッテリー火災への応用でも有望な結果を示しています。Sonic Fire Techがこれまでに実施した数回の試験について、「リチウムイオンバッテリーの火災そのものを消火するわけではありませんが、封じ込めることはできます」とBruderは述べました。「外側のケースへの着火を防ぐことができれば、セルからセルへの延焼を食い止め、火災の規模を抑えられる可能性があります」
Sonic Fire Techは、新築と既存建物への後付けの両方を対象として、商業施設、厨房、住宅の内部を保護するシステムの開発に取り組んでいます。また、山火事の危険性が高い地域の住宅外部を保護するシステムにも取り組んでいますが、適切な試験施設を利用できる機会を待っているため、こちらの開発は比較的ゆっくりと進んでいます。
Sonic Fire Techのシステムは、より迅速な消火に加えて、復旧が必要になった場合でも、その費用を削減できるとしています。
現在、約500の行政区域で建物内部への防火システムの設置が義務付けられています。しかしBruderは、住宅火災の50%が厨房から発生しており、その原因には油火災や電気火災があると指摘しています。厨房に特化した小規模なSonic Fire Techのシステムであっても、壊滅的な住宅火災のリスクを大幅に低減し、それに伴って保険料を引き下げることにつながる可能性があります。「現在設置されているスプリンクラーでは、そうした火災に対応できません」とBruderは述べました。
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