イスラエルの急速充電器スタートアップStoreDotがシリーズDで15億ドルのバリュエーションを達成

イスラエルの急速充電バッテリー新興企業StoreDotが、15億ドルの評価額で数千万ドルを調達したことが、Calcalistの調べでわかりました。同社はこれまでにシリーズDで6000万ドルを調達していますが、同社の技術を評価中の自動車業界の戦略的投資家が追加で参加できるようにするため、まだラウンドを終了していません。2017年の前回の資金調達ラウンドでは5億ドルと評価されていたイスラエル企業にとって、今回の新ラウンドは大きな成長を意味します。今回調達した資金は、StoreDot社の電気自動車用シリコン主体極限高速充電（XFC）電池セルの研究開発を完了し、将来の展開に向けてソリッドステート技術に基づく極限エネルギー密度セルの進展を継続させるために使用される予定です。また、今回の資金調達により、2024年のセル本格量産に向け、カリフォルニア州にある研究開発センターを立ち上げ、世界の主要拠点でスケールアップ事業を開始することが可能になります。今回の投資の一環として、VinFastは2024年までに電池製造施設の建設を計画しており、2025年に販売される自動車に搭載される電池を生産する予定です。この施設では、年間30万個の電池を製造する予定です。StoreDotは以前、自社で製造工場を設立することを検討していましたが、施設の建設や電池の輸送に膨大なコストがかかることから、最終的には戦略を変更し、電気自動車のさまざまなメーカーと手を組み、その工場で電池を製造することにしました。

StoreDotのCEOであるDoron Myersdorfは次のように述べています。「今回のラウンドによって時間をかけて、市場の状況に応じてSPACとの合併または従来のルートで、株式を公開すべきかどうかを判断することができます。投資銀行のJP Morganにアプローチしましたが、IPOのタイミングと可能性はまだ不明です。我々は、市場に関して、いつが株式公開の適切なタイミングであるかをアドバイスするためにJPモルガンを招き、そのために、近い将来にわたって持続する資金を調達しました。我々は、自動車の世界が我々の唯一の焦点であるべきであるという結論に達し、その分野にすべてのリソースを投資しています。このエコシステム全体は、誰もが電気自動車に移行することで革命を遂げようとしており、ここが我々の窓口となります。急速充電池の巨大な市場を作るチャンスがあるのです。」

シリーズDは、ベトナムの電気自動車メーカーVinFastが主導しており、製造規模を拡大し、将来のEVアーキテクチャにStoreDotのExtreme Fast Chargingを展開する予定です。参加者は、現在StoreDotの投資家でありアクティブなパートナーであるbpベンチャーズと、EVEエナジーの創業者であるLiu Jincheng博士が100％出資するGolden Energy Global Investmentです。StoreDot社のXFC（Extreme Fast Charging）バッテリーは、従来のリチウムイオン電池に革命を起こし、従来の内燃エンジン車の給油時間と同じ、わずか5分で電気自動車をフル充電することを可能にするものです。昨年1月には、第1世代の5分充電電池の技術サンプルを公開しました。この電池は、ドローン、電動バイク、スクーター、電動工具など、さまざまな機器の電源として使用することができます。

2017年に設立されたVinFastは、アジアを代表する自動車メーカーの一つです。VinFastは最近、北米とヨーロッパ市場への進出を開始しました。同社のモデルのほとんどは、BMW車をベースにしています。VinFastの副CEOであるPham Thuy Linhは、「我々は、画期的な技術企業、特にStoreDotやその極限高速充電（XFC）独自技術などのEVバッテリーとパートナーシップを結び、投資することでグローバルインテリジェンスを結び、研究に専念してきた」と述べ、「才能ある科学者と経験豊富な起業家が率いるStoreDotは、VinFastと他の戦略的投資家からの強力な支援を受けて、近い将来、世界的な大量生産に向けて準備を進めていくでしょう」と述べています。

Myersdorf、Simon Litsyn教授、Gil Rosenman教授によって2012年に設立されたStoreDotは、これまでに1億3千万ドルを調達しています。同社への投資家には、Roman Abramovich、Wertheimerファミリー、BP、Daimler、Samsung Ventures、GlenRock、Singulariteam、TDKなどが名を連ねています。