Check Pointが、イスラエルのスタートアップ企業 Spectral を買収し、開発者優先のセキュリティを提供開始

サイバーセキュリティ企業の Check Point Software Technologies Ltd. は、開発者向けの自動コード・セキュリティ・プラットフォームを提供するイスラエルの新興企業 Spectral を買収することを発表しました。イスラエルで設立された同社は、この買収の財務的な詳細を明らかにしていませんが、この買収がおよそ6000万ドルと推定されます。Check Point は、今回の買収により、同社の既存のクラウドソリューションであるCheck Point CloudGuardを「開発者優先」のプラットフォームで深化させ、「最も幅広い」クラウドアプリケーションセキュリティを提供できるようになると述べています。Check Point にとって、今回の買収は過去3年間で7回目の買収となります。2021年8月には、クラウドメールセキュリティを提供するテルアビブ拠点のスタートアップ、Avananを2億7000万ドルで買収しました。

2020年に設立されたSpectralは、データ侵害につながる可能性のあるソースコードや設定などの資産における有害なセキュリティエラーから保護するソリューションを開発しています。同社の技術は、GitHub、Google Cloud Built、AWS CodeBuild、JFrogといった主要な開発者向けサービスと統合されています。同社のウェブサイトによると、Spectralの顧客にはイスラエル企業のSimilarWeb、eToro、LawGeexが含まれています。

Check Point は発表の中で、デジタル化の加速により、企業は新しいアプリケーションをより迅速に展開することが求められており、従業員がどこからでも働ける分散環境への移行と相まって、開発チームはローコードプラットフォームなどのクラウドネイティブな手法に移行しつつあると述べています。来年までには、過去40年間に開発されたアプリの数と同じ、5億以上のデジタルアプリとサービスがクラウドネイティブの手法で開発・展開されると同社は発表しています。こうした動きは、データ漏洩、設定ミス、機密の漏洩など、クラウドアプリケーションに直接的なセキュリティリスクをもたらし、開発者はクラウドセキュリティを確保するための適切なツールを必要とすると述べています。

Check Pointの最高製品責任者である Dr. Dorit Dor は、次のように述べています。「IT セキュリティのリーダーとして、Check Point は、クラウド・セキュリティが将来どのように変化していくかを常に見据えており、次に来るものを守るために今日の投資を行うことができます。Spectral の買収は、当社のクラウド開発者に対するコミットメントをさらに強調するものです」

Spectralの CEO 兼共同設立者の Dotan Nahum は、次のように述べています。「Spectralの事業は、開発者が安心してソフトウェアを構築し、出荷できるようにすることです。Check Point に参加することで、より多くの開発者を、より多くの地域で支援し、コミュニティとオープン・ソース・サービスをより迅速かつ効果的に構築できるようになります。Check Point の高度なクラウド・セキュリティ機能と脅威インテリジェンス・ツールに、Spectralが開発者向けに提供するクラス最高のセキュリティ・ツールを組み合わせることで、企業は、開発者が好み、セキュリティ・チームが信頼するツールでセキュリティをシフト・レフトすることが可能になります」

Spectralは、スウェーデンのフィンテック企業Klarnaとイスラエルのソフトウェア企業Como（旧Conduit Mobile）に在籍していたNahumが、Idan Didi（COO）、Lior Reuven（エンジニアリングVP）、Uri Shamay（チーフアーキテクト）とともに共同設立した企業である。同社は昨年、シードラウンドで620万ドルを調達し、従業員は約16名です。