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2025/05/14

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GenerativeAIのRecraft、DALL-EやMidjourneyを超えた女性起業家Anna Veronika Dorogushの挑戦

サンフランシスコ発のスタートアップRecraftが、ブランドに特化したAI画像生成モデルで注目を集めています。同社はこのほどAccelが主導するシリーズBラウンドで3,000万ドル(約45億円)の資金調達を完了しました。2024年にはKhosla Venturesから1,200万ドルを調達しており、すでに年間経常収益は500万ドルを超え、ユーザー数も400万人を突破しています。Recraftの最大の特徴は、ブランドイメージに忠実な画像生成に特化した独自のAI技術にあります。同社が開発した「red panda」と名付けられたAIモデルは、OpenAIのDALL-EやMidjourneyといった業界の大手を抑え、著名なベンチマーク『Artificial Analysis』で1位を獲得しました。CEO兼創業者のAnna Veronika Dorogush氏によると、ユーザーがテスト時に頻繁にレッサーパンダ(red panda)の画像を生成したことがモデル名の由来になったと語っています。

 

Recraftを率いるDorogush氏は、AI業界では珍しい単独の女性創業者兼CEOであるだけでなく、そのユニークな経歴でも注目されています。ロシアのトップ大学で数学とコンピュータサイエンスを学びながらプロのファッションモデルとして活躍し、その後GoogleやMicrosoft、さらにロシアのテック企業Yandexで機械学習プロジェクトを牽引した経歴を持ちます。特にYandexで開発した機械学習ライブラリ『CatBoost』は世界的に普及し、CloudflareやJetBrainsなどの企業に採用されています。Dorogush氏は「私がモデルとして働いた経験から学んだのは、単に必死に働くだけでは成功しないということです。会社経営においても、特に重要なポイントを見極めて徹底的にこだわることが不可欠です」と述べています。この考え方がRecraftの技術と戦略に活かされ、高い評価を得ています。

 

競合と差別化を図るため、Recraftは自社独自のAIモデルをゼロから構築しています。MidjourneyやAdobe Firefly、Stable Diffusion、Black Forest Labsなどと競合する中で、ブランド重視の画像制作に特化していることが最大の強みです。特にロゴ配置やデザインの一貫性を細かく制御できる点が差別化ポイントとなり、Canvaのようなデザインツールにも近いポジションを確立しつつあります。Recraftの最新モデル『Recraft V3』は、ベンチマークで首位を獲得しただけでなく、複数画像間のスタイルの統一性を維持することが可能です。また、画像生成速度は中央値で約7秒と、OpenAIのDALL-E 3の約2倍の速さを誇ります。さらに任意のサイズでの画像生成や、テキストやロゴなどブランド要素の正確な配置も実現しています。

今回のシリーズBラウンドは、Accelが主導し、Khosla VenturesおよびMadronaが参加しました。特にKhosla Venturesは、OpenAIやAnthropicなどの有名なAI企業に初期投資してきたことで知られており、その参加はRecraftの技術的優位性と市場ポテンシャルへの信頼を示しています。Recraftは今後、調達した資金を製品開発と顧客基盤の拡大に活用し、特にブランドや代理店市場への浸透を進めていきます。デザインやマーケティングの現場において、短期間で高品質かつブランドの一貫性を維持した画像生成が求められる中、同社のAI技術は汎用型画像生成AIでは得られない価値を提供すると期待されています。

 

Recraftについて
Recraftは、サンフランシスコに拠点を置くAI画像生成スタートアップです。ブランドの一貫性を重視したAI技術を独自開発し、デザイン・マーケティング分野に特化した画像生成プラットフォームを提供しています。2024年にはKhosla Venturesから資金調達し、今回Accel主導のシリーズBラウンドで総額4,200万ドルを調達しました。ユーザー数は400万人を超え、年間経常収益は500万ドル以上に成長しています。

 

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