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インタラクティブAIのOdyssey、リアルタイム3D世界を生成するAIモデルを発表
自動運転分野で名高いOliver Cameron氏とJeff Hawke氏が創業したスタートアップOdysseyは、ユーザーがストリーミングビデオを自由に操作・探索できる画期的なAIモデルを開発しました。現在ウェブ上で初期デモが公開されているこの技術は、40ミリ秒ごとに映像を生成し、リアルタイムでストリーミングする仕組みです。ユーザーはゲームのような簡単な操作でビデオ内の空間を自由に動き回ることが可能です。Odysseyの公式発表によると、このモデルは現在の映像状態、ユーザーのアクション履歴などを分析し、「次に世界がどのように変化するか」を予測してリアルな映像を生成します。同社はこれを「World Model」と呼んでおり、空間の整合性を保ちながら長時間安定して映像をストリーミングできるとしています。
現在、多くの企業がWorld Model技術の開発に取り組んでおり、DeepMind、World Labs、Microsoft、Decartなどが同様の試みを進めています。この技術は将来的にゲームや映画、ロボット訓練用のリアルなシミュレーション環境としても期待されています。しかし、この技術に対してクリエイターからは賛否両論があります。最近の調査ではActivision Blizzardなどのゲーム企業がコスト削減や人材不足対策のためAIを導入し、大量解雇を行った事例もありました。さらに、米国の映画・テレビ業界においても、近い将来10万人以上のアニメーターや映像制作者がAI技術によって職を脅かされる可能性があると指摘されています。こうした懸念に対し、Odysseyはクリエイターを置き換えるのではなく、協力して新しいコンテンツの形を生み出すことを目指していると表明しています。将来的にすべての映像コンテンツはインタラクティブな形態へと進化すると予測しています。
現在のデモ映像はまだ不安定で荒削りな部分があり、風景が突然変化するなどの問題もありますが、今後継続的に改善を図っていく予定です。同社はさらに安定した映像生成、より豊かな世界の表現、さらなるユーザーアクションへの対応などを研究開発中です。Odysseyは映像の品質向上のため独自の360度撮影用カメラシステムを開発しており、公開データだけに頼らない高品質なモデル作りを目指しています。また、生成したシーンをUnreal EngineやBlender、Adobe After Effectsなどの既存の映像制作ツールに取り込んで編集可能にする技術も開発しています。OdysseyはこれまでにEQT Ventures、GV、Air Street Capitalなどの投資家から計2700万ドルを調達しており、Pixarの共同創業者で元ディズニー・アニメーションの社長であるEd Catmull氏が取締役として参画しています。
Odysseyについて
OdysseyはインタラクティブAI技術を活用し、映像コンテンツにおいて自由な探索やリアルタイム操作を可能にするAIモデルを開発しているスタートアップです。創業者は自動運転技術の分野で実績のあるOliver Cameron氏とJeff Hawke氏です。
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