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FinTechのRamp、AIエージェント「Agents for AP」を発表し、請求書処理を自動化、支払い不正も防止
企業向けの財務オペレーションプラットフォームを提供するRampは、AIを活用して経理業務の自動化を実現する新ソリューション「Agents for AP」を発表しました。この機能は、請求書のコード付け、承認プロセス、支払い処理といった手作業が多い経理業務を自動化し、RampのAP自動化ツール「Bill Pay」内で稼働します。OCRによる請求書読み取り機能を備え、最短3クリックで処理・承認・支払いが完了する仕組みです。Rampの共同創業者兼CTOであるKarim Atiyeh氏は、「Agents for APは従来の自動化をさらに進化させ、場合によっては経理プロセス全体のほぼ100%を自動化できる」と述べました。AIエージェントは過去のコンテキストデータをもとに、勘定科目(GLコード)の適用や承認推薦といった高度な意思決定を自律的に行います。
Agents for APは、企業の財務チームが依存するベンダー情報、契約書、発注書、承認履歴といったデータをもとに、以下の処理を自動で行います。
・請求書の自動コード化:過去のデータや商品ID、配送先住所などを参照し、勘定科目を自動入力。初回精度は85%に達し、学習を重ねるほど精度が向上します。
・承認プロセスの最適化:AIがベンダー履歴や契約内容をまとめ、承認者に最適な判断材料を提示します。
・カード支払いの自動適用:AIが支払いポータルから最適なカード支払い機会を検出し、手動入力を排除します。
STUDS社のVP of FinanceであるAndrew Clarke氏は、「RampのAIによって、支出管理が即時に分析できるようになり、面倒な手作業が排除された」とコメントしています。
また、Rampは不正検知機能も強化しています。2024年の調査では、79%の企業が支払い詐欺を経験しています。Agents for APは、過去90日間で100万ドル以上の不正請求を検出。ベンダー情報や支払い履歴など63項目のデータを分析し、不正請求や口座変更を事前に警告します。さらに、ベンダーの事業実態を確認する認証チェックも自動で実施し、追加負担なしでセキュリティ層を強化します。2021年にローンチされたBill Payは、Rampの中で最も急成長しているプロダクトで、支払い取扱高が3倍、顧客数が2倍に拡大しました。Olipop社のControllerであるMuhammad Younes氏は、「Rampのおかげで請求書処理から支払いまでの業務が完全に自動化され、決算を2日早く締められるようになった」と述べています。Agents for APは、経費レビューの85%を自動化する「Agents for Controllers」に続く新シリーズです。Rampは今後もAIエージェントの展開を拡大し、企業の財務業務を根本的に変革していく方針です。
Rampについて
Rampは、企業のコスト削減と時間効率化を支援する財務オペレーションプラットフォームです。支払い、法人カード、ベンダー管理、調達、出張手配、自動仕訳を一元化し、AIを活用して経理業務を最適化します。2019年に設立され、現在は年間1,000億ドル以上の決済を処理。これまでに45,000社以上の企業が利用し、合計で100億ドル以上のコスト削減を実現しています。
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