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2025/10/16

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次世代の遺伝子医薬のLiberate Bio、サルで初の「in vivo CAR-MによるB細胞枯渇」を実証

Liberate Bioは、American Society of Gene and Cell Therapies主催の「Advancing Cell and Gene Therapies for Cancer」会議(フィラデルフィア)で、同社のin vivo CAR-M(CAR改変単球・マクロファージ)療法が非ヒト霊長類で99%超の循環B細胞枯渇を達成した新たな前臨床データを発表しました。2回の投与はいずれも良好に忍容され、用量投与後にIL-6やTNF-αなどサイトカインの一過性上昇がみられたものの48時間以内に収束し、T細胞増殖の所見は認められませんでした。T細胞への送達は1%未満にとどまり、サイトカイン放出症候群(CRS)やICANSのリスク低減が期待できる、CAR-Tとは異なる安全性プロファイルが示唆されます。

 

同社は独自のRAPTORプラットフォームにより、非ヒト霊長類で脂質ナノ粒子(LNP)を直接スクリーニングして肝外の免疫細胞を標的化。今回のデータは、単球とマクロファージにCARエンコードmRNAを選択的に送達するLNPにより、強力かつ可逆的なB細胞枯渇が可能であることを示しました。Chief Scientific OfficerのWalter R. Strapps博士は「T細胞ではなく単球・マクロファージを再プログラムすることで、循環と組織の双方へ自然にトラフィックする新たな免疫コンパートメントを活用でき、過度な免疫活性化を回避しながらB細胞を枯渇可能であることを実証した」と述べ、領域における基盤的な前進と位置づけました。Chief Executive OfficerのShawn P. Davis博士は「in vivo CAR-Mはこれまで細胞治療が届かなかった患者層に扉を開く。安全かつ反復可能、スケーラブルな免疫プログラミングの未来を描いている」とコメントしています。

 

Liberate Bioは、初のin vivo CAR-M候補をIND前試験へ進め、2026年後半に医師主導試験で初の臨床評価を目指します。初期の臨床適応として、全身性エリテマトーデスや多発性硬化症といった自己免疫疾患に加え、循環血や骨髄に悪性B細胞が残存する再発・難治性多発性骨髄腫などのオンコロジー領域を想定しています。今回の成果は、自己免疫およびB細胞駆動性疾患における「免疫リセット」という新しい治療経路の確立に向けた重要な一歩となります。

 

Liberate Bioについて
Liberate Bioは、肝臓を超えた送達という遺伝子治療の根本課題を解くことで次世代の遺伝子医薬を創出するバイオテクノロジー企業です。非ヒト霊長類での高スループットin vivoスクリーニングとAIによる設計最適化を組み合わせたRAPTORプラットフォームにより、単球・マクロファージ・造血幹細胞など特定の免疫/骨髄系細胞を標的化するLNPを開発。mRNAや遺伝子編集などのペイロードを疾患ドライバー細胞へ直接届け、自己免疫、腫瘍、希少遺伝性疾患の体内(in vivo)治療を目指しています。第一弾プログラムとして、安全かつ大規模に実装可能なin vivo CAR-M療法の開発を推進しています。

 

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