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2025/11/14

Startup Portfolio

HealthTechのBridge、テレヘルス向け保険登録インフラで「見えないクレデンシャリングのブラックボックス」を30日に短縮

多くのテレヘルススタートアップでは、プロバイダーのクレデンシャリングと保険プランへの登録(エンロールメント)が60〜120日かかる「ブラックボックス」と化し、その間プロバイダーは診療ができず、1FTEあたり月$65,000の機会損失が発生しています。Excelで数百〜数千行の登録状況を手作業で管理しながら、「この州でいつから診療開始できるのか」が誰にも正確にわからないという状況が日常です。これに対しBridgeは、テレヘルス向けに特化して構築したインフラにより平均30日でプロバイダーを「保険請求可能な状態」まで立ち上げ、全登録の進捗をリアルタイムに可視化するダッシュボードを提供します。同社はプロバイダーが実際に患者を診て初めて収益が発生する成功報酬型のモデルを採用しており、スピードに対するインセンティブをクライアントと一致させている点も特徴です。

 

Bridgeが焦点を当てるのは、単なる資格確認としてのクレデンシャリングだけでなく、保険プランへのエンロールメントという「収益のボトルネック」となるプロセスです。プロバイダー10人が8州、4つのメジャープランと契約しようとすると、個別エンロールメントは320件に膨れ上がり、それぞれポータルの仕様も要件もタイムラインも異なります。小規模のテレヘルス組織では、数百〜数千のワークフローを自前で学習・構築するのは現実的ではなく、Aetnaが最低500プロバイダーを要求するなど、多くのスタートアップは「デリゲーテッド・クレデンシャリング」という近道も利用できません。Bridgeは主要保険プラン向けの提出・トラッキングを自動化し、CAQHからの既存データ統合によって数時間かかっていたクレデンシャリング書類を数分で完了できるようにするとともに、各プランごとのイレギュラーや要件をあらかじめマッピングして初回から「通りやすい」申請を実現します。さらに、いわば「Domino’sのピザトラッカー」のように、提出済み、審査中、追加情報待ち、承認済み、有効開始日確定といったステータスをリアルタイムに表示し、どの申請が順調で、どこが滞っており、どこにエスカレーションが必要かを即座に把握できるようにします。

 

従来型ベンダーのように1件あたり$100前後の定額課金で60〜120日かけるモデルは、安定したキャッシュフローを持つ大規模ヘルスシステムには耐えられても、成長速度が生命線のテレヘルススタートアップには致命的になりかねません。Bridgeは「プロバイダーが診療を開始し、実際に収益を生んだときにのみ対価を得る」という構造を採用し、提出から有効日まで平均30日で進めることで、マーケティングの開始時期、州ごとのサービスローンチ、四半期売上計画、プロバイダーへのオンボーディング期待値などを現実的なタイムラインで設計できるようにします。また、登録ステータスは同社のプラットフォーム内で単一の「ソース・オブ・トゥルース」として扱われ、EligibilityチェックやレベニューサイクルマネジメントとAPIで統合されるため、「その患者をその保険で本当に診療できるプロバイダーだけ」を自動で提示し、未登録プロバイダーで誤って請求するリスクや、複数システムを手作業で突き合わせる非効率を排除します。複雑さそのものは消えませんが、スピードと可視性をインフラレベルで担保することで、スタートアップが本来注力すべき医療提供と事業成長に集中できる環境をつくることがBridgeの狙いです。

 

Bridgeについて
Bridgeは、テレヘルスクリニックが数週間で保険診療を開始できるようにする、保険登録・レベニューサイクル向けインフラプラットフォームです。全米の保険ネットワークへの接続、テレヘルス特有のワークフローに合わせた患者向け・バックオフィス向けツール、そして包括的なレベニューサイクルマネジメントを一体で提供し、クリニックが煩雑なクレデンシャリングやエンロールメントを自前で構築する負担を取り除きます。最近ステルスモードを脱した同社は、経験豊富なテレヘルスの専門チームによって率いられ、General Catalyst、Andreessen Horowitz、Thrive Capital、Khosla Ventures、Greenoaks、Mischiefなど有力投資家から支援を受けています。

 

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