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イスラエル拠点でAIハッカーを開発するサイバーセキュリティ企業のTenzaiがSeedで評価額$330Mで$75Mを調達
Tenzaiは、Greylock Partners、Lux Capital、Battery Venturesが共同リードし、Swish Ventures、Jibe Venturesなどが参加したSeedで$75Mし、評価額は$330Mに達しました。
イスラエルを拠点で6か月足らず前に創業したAIハッカーを開発するサイバーセキュリティ企業のTenzaiのエージェントは、AnthropicやOpenAIといった企業の最先端AIモデルに基づいて構築されており、顧客のアプリケーションの脆弱性を見つけて悪用するように微調整されています。これらのAIエージェントは「国家レベルの攻撃能力」を備えており、これまで考えられなかった規模で使用することが可能です。問題を見つけると、Tenzaiのエージェントは最適と思われる解決策を提示し、それを実行するかどうかは人間のオペレーターの判断に委ねられます。Tenzaiの最終的な目標は「破られないコード」を構築することです。
現在、Tenzaiは顧客名やその数を開示していませんが、製品はアーリーアダプターと共に引き続き開発されています。Tenzaiの創業者たちには大きなイグジットの実績があり、以前のスタートアップGuardicoreを2021年にネットワークおよびサイバーの大手Akamaiに$600Mで売却しました。
「AIを活用したセキュリティテストの市場規模は少なくとも$5Bに達する可能性があると考えています。サイバーセキュリティは実はAIを応用するのに非常に適した分野です。サイバー領域全体でそう言えます。Tenzaiの創業者たちは、IDF(イスラエル国防軍)のような最先端の組織で何十年にもわたって活動してきた経験を持っており、非常に複雑でリスクの高い環境の中で、常に攻撃者の視点で物事を考えてきました。彼らはその思考法とAIの進歩を融合させているのです。」とGreylockの投資家は述べました。
Tenzaiは、AIエージェントがペネトレーションテスター、いわゆるレッドチームの役割を担うようになりつつある市場に参入しています。これらは、実際の犯罪者を模倣してソフトウェアの弱点を探し、企業情報を盗んだり、業務アカウントを乗っ取ったりすることを目的とした専門家です。同社の競合には、最近$30MのSeries Aを調達したイスラエルのTerra Securityや、HackerOneのバグバウンティランキングで人間を上回ったシアトル拠点でこれまでに$117Mを調達したXBOWです。
TenzaiはDeloitteやPwCといった大手コンサルティング企業との競合を目指しており、商業的に広く使われているソフトウェアではなく、金融機関などの顧客が独自に開発した重要アプリケーションの脆弱性を見つけることを目的としています。
Tenzaiはは、この業界がAIへと傾いていくのは当然だと考えています。特にOpenAIやAnthropicの研究所で開発されたモデルは、基本的な脆弱性を大規模に発見できるようになってきているからです。Anthropicは今年初め、同社のSonnet 4.5モデルがテスト対象となったオープンソースツールのうち33%以上で新たな脆弱性を発見できたとする研究結果を発表しました。
「世界最高の人材は、世界最高の機械よりもハッキングが得意かもしれませんが、最終的にはAIも非常に重大な問題を見つけることができます。特に大規模に稼働しているときは、機械の方がより優れた結果を出すこともあるのです」とTenzaiの共同創業者兼CEOは語りました。
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