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Itronが、デジタル施工管理のLocusviewを買収し、グリッド強靭化とネットワークDXを加速
Itron, Inc.(NASDAQ: ITRI)は、電力・ガス・水道などのユーティリティと都市向けにエネルギーと水のマネジメントソリューションを提供する企業として、米国およびイスラエルに拠点を置くユーティリティ特化型ソフトウェア/サービス企業Locusview, Ltd.(以下Locusview)を買収する最終契約を締結したと発表しました。買収価格は5億2,500万ドルで、全額を手元資金で支払う予定です。取引は2026年1月中のクローズを見込んでいます。
ItronのPresident兼CEOであるTom Deitrichは、「Locusviewのデジタル施工管理プラットフォームは、ItronのResiliency Solutionsのポートフォリオをさらに拡張し、顧客への提供価値を高めてくれます。スケーラブルなSaaSモデルであるLocusviewのビジネスは、重要インフラ事業者向けに設計されており、建設プロジェクトの生産性とマネジメントの向上に貢献しています。グリッドの大規模な増強と運用効率の抜本的な改善が求められているいま、ItronとLocusviewの組み合わせは、将来に向けた非常にエキサイティングなプラットフォームを生み出します。Shahar氏とチームをItronに迎え、この革新的なプラットフォームの成長を加速させられることを楽しみにしています」と述べています。
Locusviewの共同創業者兼CEOであるShahar Leviは、「私たちは、一つのアイデアから出発し、ユーティリティ業界全体で信頼される業界特化・カテゴリーリーダーのプラットフォームへと成長させることができました」と振り返り、「私たちが目指したのは、デジタル施工管理のパイオニアになることです。重要インフラの運用者が、自分たちの現場にフィットしたツールを使えるようにすること。計画・施工・クローズアウトを単一のリアルタイムなエンタープライズ規模ワークフローに統合すること。今回の買収は、Locusviewとお客様双方にとっての転換点であり、オペレーションのスケールアップと、世界中のインフラ事業者のクリティカルなニーズを支えるというミッションの加速を可能にします」とコメントしています。
さらにLevi氏は、「私たちは、接続され、インテリジェントで、サステナブルなネットワークというItronのビジョンを共有しています。両社が一体となることで、ユーティリティは現場からボードルームに至るまで、リアルタイムデータに基づいて“より賢く計画し、より速く構築し、より安全に運用する”ことができるようになります。私たちは、電力・ガス・水といったインフラネットワークがどのように構築・保守・近代化されるかという点で、次のデジタルトランスフォーメーションの波をけん引するポジションにつきつつあります」と述べ、グリッドとネットワークのライフサイクル全体にわたるDXを加速させる意気込みを示しました。
今回の買収により、ItronはResiliency Solutions(レジリエンス強化ソリューション)のラインアップに、現場と本社をつなぐデジタル施工管理SaaSを組み込むことになります。グリッドやガス・水道ネットワークの拡張、老朽インフラの更新、再生可能エネルギーの統合など、多数の資本プロジェクトを同時並行で管理しなければならないユーティリティ業界において、Locusviewのようなエンタープライズスケールの施工・資本投資管理プラットフォームの重要性は高まっています。高精度なフィールドデータをリアルタイムに収集し、設計と台帳・基幹システムをつなぐことで、可視性向上、クローズアウトの自動化、コンプライアンスや安全性の確保に寄与するところが評価されていると言えます。Itronはこれまでも、スマートメーターやグリッド管理、需要応答、漏水検知など、インフラ運用のデジタル化に関連するソリューションを提供してきましたが、Locusviewを取り込むことで、計画・建設・更新という「前工程」までを含めたエンドツーエンドのレジリエンス・プラットフォームへと進化することになります。今後は、Itronの計測・制御・分析ソリューションとLocusviewの施工管理SaaSの統合により、グリッドやネットワークのライフサイクル全体をカバーするデータ駆動型オペレーションを支援していくことが期待されます。
Locusviewについて
Locusviewは、電力・ガス・水道などの重要インフラ事業者が建設オペレーションをスケールさせ、資本投資を最適化できるよう支援することをミッションとするスタートアップです。エンタープライズスケールのDigital Construction Managementプラットフォームを提供し、フィールドで高精度データをリアルタイムに自動取得することで、現場の可視性向上、クローズアウト作業の自動化、設計とシステム・オブ・レコード(台帳・基幹システム)のギャップ解消を実現します。これにより、ユーティリティは多拠点・多案件の資本プロジェクトを効率的に管理し、安全性・コンプライアンス・コスト効率・レジリエンスの向上を図ることができます。
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