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2025/12/04

Startup Portfolio

小分子合成の遅く職人的なプロセスを解決するAI創薬スタートアップの"Excelsior Sciences"がSeries Aで$70Mを調達

Excelsior Sciencesは、Deerfield、Khosla Ventures、Sofinnova Partnersがリードし、Cornucopian Capital、Illinois Ventures、Eli Lilly、Massachusetts Institute of Technologyが参加したSeries Aで$70Mを調達した。同社は、Series Aに加えて、New YorkのEmpire State Developmentから$25Mの助成金を受け取りったことにより、新たな資金調達は合計$95Mになりました。

New York Cityに拠点を置き、投資会社Deerfield Managementからスピンアウトした小分子合成の遅く職人的なプロセスを解決するAI創薬スタートアップのExcelsior Sciencesは、化学合成プラットフォームを拡大し、社内パイプラインに投資し、創薬や材料科学を含む業界全体でパートナーシップを構築します。

Excelsiorは、自社が「機械が実行でき、AIが利用できる新しい形の化学」を開発しており、それによってクローズドループ型の創薬が可能になると主張しています。

小分子医薬品は、米国および海外で処方される薬の大半を占めます。多くのバイオ製薬企業は、人用医薬品、製造材料、動物用医薬品などの開発と生産にAIを適用しようと試みてきましたが、ライフサイエンス分野でこの技術の潜在能力を真に解き放つためには、AIは「データを大量に必要とするアルゴリズムに供給できるよう、新しい小分子を複数のアッセイで十分な速度で作成し、テストする能力を必要とする」とExcelsiorは説明しています。

Excelsiorは、他社がこれまで「従来の職人的な化学合成アプローチを再現」しようとして失敗してきた中で、自社は化学の自動化のコードを解読した可能性があると考えていると述べています。

同社の手法は、Excelsiorが「自動合成に適した化学ビルディングブロック」であり、モジュール式の化学言語として機能すると説明する、いわゆる"smart bloccs"技術に根ざしています。同社は、AIに"smart bloccs"を扱う訓練を施すことで、化学的洞察を導き、創薬をガイドできると考えています。

またExcelsiorは、製造および創薬の国内回帰に最近注目が集まっていることから、自社技術のデビューには最適なタイミングであると考えています。同社は新しい化学アプローチを通じて、「創薬と製造の両方において国内回帰を手頃にする」ことを目指していると述べています。

過去12カ月で、AIは創薬領域でますます人気のツールになっています。

先月初め、ExcelsiorのSeries Aに参加したEli Lillyは、Insilico Medicineと$100M超のbiobucks契約を締結し、InsilicoのAIプラットフォームを活用して新規治療薬を共同で特定・開発することを目指しています。またFlagship Pioneeringは10月にExpedition Medicinesを立ち上げ、親会社からの$50Mの資金提供を受け、AI駆動の生成デザインを用いて「小分子治療の境界を拡張する」ことを目指しています。

一方、11月下旬には、U.S.’ National Security Commission on Emerging Biotechnology(NSCEB)が、米国がバイオテクノロジーのイノベーション優位性を失いつつあると警告しました。米国がイノベーションの優位性を保持するためには、連邦政府がAIやロボティクスといった技術の潜在力を理解し、研究者がそれらを活用できるようにする必要があると、NSCEBは当時述べています。
 

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