Startup Portfolio
防衛ドローンテックのQuantum Systems、初の攻撃型MALEドローン「Pulse P19」を開発し、ベルリン航空宇宙展で初公開へ
ドイツ発の無人機スタートアップQuantum Systemsは、同社初となる攻撃型ドローン「Pulse P19」を開発したことが明らかになりました。Pulse P19はMALE(中高度長時間滞空型)クラスに分類され、同社のラインアップにおいて最大のプラットフォームとなります。長距離偵察任務に加え、地上目標への攻撃に使用できる兵器を搭載できる設計が特徴です。Pulse P19の正式発表は、ドイツ・ベルリンで開催される国際航空宇宙展「ILA Berlin 2026」(6月10日から14日)の場で行われる予定であり、同展示会で初めて公開される見通しです。これまでQuantum SystemsはVector・Twister・Reliantといった戦術的偵察システムを中心に事業を展開してきましたが、Pulse P19の登場は同社が作戦レベルのプラットフォーム開発へと事業を大きく転換させることを意味します。
Pulse P19の開発においては、ウクライナの前線での運用経験が大きく影響しているとQuantum Systems自身が指摘しています。同社はウクライナ軍およびドイツ連邦軍(Bundeswehr)への主要な無人機サプライヤーとして知られており、偵察ドローンVectorはドイツからの援助パッケージの一環としてウクライナ軍に繰り返し供与されてきました。また2024年春には、ウクライナ国内に自社のドローン製造工場とR&Dセンターを正式に開設しており、年間最大1,000機の組み立てが可能な生産能力を整えています。実際の戦場から得られたデータとフィードバックがドローンの設計・性能向上に直接反映されるという開発サイクルは、Quantum Systemsが他の無人機メーカーに対して持つ競合優位性の一つです。今回のPulse P19もこうした実戦ノウハウが凝縮された成果と位置づけられています。
攻撃型ドローンの開発と並行して、Quantum Systemsはソフトウェア基盤の整備にも力を入れています。同社は独自のUxSエコシステム「MOSAIC」を開発しており、様々な無人機システムを共通の制御ネットワークに統合することを目指しています。また、ウクライナの武器メーカーとさらに2つの防衛分野の合弁企業を設立する計画も進めており、現地生産・現地調達能力を一層強化していく方針です。欧州全体で防衛投資が急増する中、Quantum Systemsはドイツ発の防衛テックスタートアップとして、偵察から攻撃まで対応できる総合的な無人機プラットフォームプロバイダーへの転身を加速させています。
Quantum Systemsについて
Quantum Systemsは、ドイツ・ミュンヘンを拠点とする防衛テックスタートアップです。Vector・Twister・Reliantなどの戦術的偵察用固定翼UAS(無人航空機システム)の開発・製造を主力事業としており、ドイツ連邦軍やウクライナ軍をはじめとするNATO加盟国の軍隊に供給しています。2024年春にウクライナ国内に生産拠点とR&Dセンターを開設し、年間最大1,000機の製造体制を整えています。独自のUxSオペレーティングプラットフォーム「MOSAIC」を通じて複数の無人機システムを統合管理する機能を開発しており、今回発表したMALE攻撃型ドローン「Pulse P19」をもって偵察特化から攻撃能力を持つ総合的な無人機プラットフォームプロバイダーへと事業領域を拡張しています。
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