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大規模言語モデルのMistral AIが、オープンソースモデルで米国市場に参入
フランスのMistral AI社は、ヨーロッパを拠点とする生成AIツールの開発企業ですが、最近では米国市場への進出を目指しているとのことです。同社は今月、Foursquareの元最高収益責任者であるMarjorie Janiewiczを米国ゼネラルマネージャーとして初めて採用しました。Janiewiczによれば、Mistral AIはOpenAIやGoogleなどの大手テック企業が提供するAIモデルやサービスに代わる選択肢を求める企業の需要を取り込もうとしているそうです。同社の米国市場への進出は勢いを増しているとのことです。スタートアップ企業は今後さらに人員を増やす計画で、すでにAIソリューションの選択肢と柔軟性を求める企業から関心を集めているそうです。Mistralのオープンソースアプローチでは、基盤となるコードが公開され、カスタマイズ可能なため、競合他社の閉じたシステムよりも安全で汎用性が高いと見なされています。
小規模企業ながらも、Mistral AIはOpenAIやGoogleなどの業界大手と競合できると考えているそうです。同社はベンチャーキャピタリスト、億万長者、フランスの公的銀行から5億ドル以上の資金を調達しています。現在、60億ドルの企業価値で新たな資金調達の交渉を行っているところです。
Mistral AIの米国進出は、投資家だけでなく、フランスの政治家からも支持されています。同社の共同創業者であるCédric O氏は、かつてフランスのデジタル大臣を務めましたが、この企業がAIの分野で主要プレーヤーとなり、米国の大手企業に買収されることがないよう願っているそうです。この政治的な関心は、フランスがグローバルなAIハブになろうとする野心を示しています。
米国市場での成長を加速するため、Mistral AIはMicrosoft、IBM、Snowflakeとパートナーシップを結んでいます。Microsoftは同社への投資に加え、最新のAIモデルをAzureクラウドプラットフォーム上で独占的に提供しています。Mistral AIは、パートナー企業を通じてだけでなく、企業との直接契約によっても顧客を獲得する予定です。
Mistral AIのオープンソースモデルは、これまでに数百万回ダウンロードされており、オンプレミスでデータをローカルに保存しながらAIモデルを実行したいというニーズの高まりを示しています。この手法は、ポータビリティと柔軟性を重視する金融、テクノロジー、ヘルスケア分野の企業に訴求力があるそうです。
多くの企業がまだ有料のAIツールの試行段階にあるものの、Mistralのオープンソースソリューションはベンダーロックインを避けたい顧客を惹きつける可能性があります。同社のブランド認知度は米国でも高まりつつあるとのことです。
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