Startup Portfolio
FinTechのMetronome、AI時代に向けた使用量ベースの請求ソリューションを提供
Metronomeは、企業向けに柔軟でリアルタイムの請求システムを提供するスタートアップで、AI時代のビジネスニーズに応えるため、革新的な使用量ベースの請求プラットフォームを展開しています。同社の共同創業者兼CEOであるScott Woody氏は、Dropbox在籍時の経験から、従来のサブスクリプションモデルや座席ベースの料金体系が抱える課題を解決する必要性を感じ、2019年にMetronomeを設立しました。
Metronomeは、従来のバッチ処理に代わり、リアルタイムで請求を処理するシステムを構築しています。このシステムは、例えば顧客が月の途中で利用料金が変更された場合でも、その変更を即座に請求書に反映させ、透明性の高い請求体験を提供します。これにより、顧客はいつでも使用状況を確認でき、突然の高額請求に驚かされることがなくなります。同社のプラットフォームは、OpenAIやAnthropic、Nvidia、Databricks、Snowflakeといった大手企業に利用されており、顧客が生成AIや高負荷なデータ処理サービスの使用量を効率的に管理できるよう支援しています。
AI技術の普及により、企業がAIサービスのコストを効率的に管理する必要性が高まっています。例えば、SalesforceのAgentforceプラットフォームは、AIエージェントの対話単位で課金されるモデルを採用しています。このような新しい請求モデルは、AIを活用した新時代のビジネスモデルを支える基盤として、Metronomeのような使用量ベースの請求システムの重要性を高めています。Woody氏は、「AIは非常に高コストな技術であるため、使用量に応じた課金モデルを採用し、企業が価値を最大限に引き出せるようにすることが不可欠です」と述べています。
Metronomeは、Amazon Web Servicesを基盤とし、Apache KafkaやApache Flinkといったオープンソース技術を活用して膨大なデータイベントをリアルタイムで処理しています。この設計により、月間数億件の請求データを正確に処理し、監査対応可能なシステムを実現しています。また、Confluentなどのデータストリーミングプラットフォームと連携することで、高い信頼性と低遅延を維持しています。
Metronomeは2022年にAndreessen Horowitzが主導するシリーズAラウンドで3,000万ドルを調達し、2023年にはNEAが主導するラウンドで4,300万ドルを調達しました。同社の最新製品であるMetronome 2.0では、複雑なエンタープライズ契約に対応する機能や、顧客が使用量を自ら管理できる請求ダッシュボードが導入されています。Woody氏は、「AIや消費ベースの価格設定への移行は、大企業にとって数年にわたるビジネス変革を意味します。その中で、Metronomeが請求分野のリーダーとしてこの変革を支える存在でありたい」と述べています。
Metronomeについて
Metronomeは、リアルタイムで柔軟な使用量ベースの請求システムを提供するFinTechスタートアップです。AIやデータプラットフォームを活用する企業向けに、高スケールかつ透明性の高い請求管理を実現しています。Amazon Web Servicesを基盤とし、オープンソース技術を活用することで、リアルタイム処理と監査対応を両立しています。Metronomeは、AI時代の新たな請求モデルを支えるリーダーとして注目されています。
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