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FinTechのStripe、決済向けAI基盤モデルとステーブルコイン対応口座を発表
FinTech大手のStripeは、決済分野に特化したAI基盤モデル「Payments Foundation Model」を発表し、さらにステーブルコインを活用した金融口座「Stablecoin Financial Accounts」を提供開始すると発表しました。この新サービスにより企業はAI技術とステーブルコインを活用して、事業成長をさらに加速できるようになります。
Payments Foundation Modelは数百億件に及ぶ取引データで訓練されており、決済ごとに数百の微細なシグナルを解析します。Stripeはこのモデルを既存の決済製品群に展開し、これまでにない精度とパフォーマンス向上を目指します。また、今回新たに提供されるStablecoin Financial Accountsは、世界101カ国の企業が利用可能で、ステーブルコイン残高の管理や、仮想通貨およびACHやSEPAなど法定通貨の両方を通じた取引を容易にします。このサービスは3か月前に買収したステーブルコインプラットフォームBridgeとの統合によるもので、まずはUSDCおよびBridgeのUSDBをサポートし、今後は他のステーブルコインにも順次対応を広げる予定です。また、BridgeはVisaとの提携を通じてステーブルコイン残高を法定通貨と同様にカード決済で利用できる仕組みを提供しています。さらにStripeは企業が既存のStripeアカウント内で複数通貨の残高管理を行える機能を導入し、初期段階では米ドル、ユーロ、英ポンドをサポートします。この機能は多国籍企業が為替手数料を回避することを助け、米国と英国の企業向けに提供開始され、今年後半にはユーロ圏にも展開される予定です。
新たなOrchestrationツールでは、企業はStripeのダッシュボードを通じて複数の決済プロバイダーのパフォーマンスを統合的に管理・最適化できます。このほか、25種類の新しい決済手段のサポート、KlarnaとStripeの消費者向け決済製品Linkとの統合、Stripe Terminalとサードパーティ製ハードウェアの互換性の強化、さらにManaged Payments機能も発表しました。加えて、Smart Disputes(不正請求管理の強化)、ACHやSEPAへのRadar対応、利用量ベース課金の改善、Stripe Taxの対応国拡大(102カ国対応)など、多岐にわたるサービス改善を進めています。
Stripeはまた、NVIDIAおよびPepsiCoとの新たなパートナーシップも公表しました。Stripeのプロダクト&ビジネス部門プレジデントであるWill Gaybrick氏は、「私たちは金融サービスをプログラム可能にし、お金をデータと同様に簡単に管理・操作できる世界を実現しています。今回の多数の新サービスの投入で、AIとステーブルコインを通じて顧客の成長を一層加速させます」と述べています。先月、Stripeは日本市場向けの決済プラットフォームも強化しています。
Stripeについて
Stripeは、企業がオンラインで支払いや収益管理を容易に行えるよう支援するグローバルFinTech企業です。決済処理、収益管理、金融サービスを提供し、最新技術を活用して企業の成長促進を支えています。
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