自動車向け安全規格ISO-26262市場に参入するAdaCoreとNVIDIAのAda・SPARK言語

高信頼性ソフトウェア開発ツールのリーダー企業であるAdaCoreが、自動車市場にAda言語およびSPARK言語を導入することを発表しました。同社はパートナーであるNVIDIAと共に、この取り組みを業界全体で共有可能なリファレンスプロセスとして公開します。

NVIDIAは自動運転向けプラットフォームDRIVE AGXを利用するアプリケーション開発と実装のために設計された、Drive® OSおよび関連ソフトウェアスタックを提供しています。このシステムは、自動車業界における安全規格ISO-26262の最高レベルの認証要件を満たしたソフトウェアコンポーネントを含んでいます。この目標を達成するため、NVIDIAは最も重要なソフトウェアコンポーネントの一部の開発に、Ada言語およびSPARK言語を採用しました。また、AdaとSPARKの特徴である形式手法を含めた安全性に配慮した開発プロセスを構築し、これらの言語の性能を最大限に引き出しています。AdaCoreとNVIDIAは、この開発プロセスをオープンソースとして公開し、業界内で自由に使用・カスタマイズできるようにします。

AdaCoreの最高製品・収益責任者（CPO兼CRO）であるQuentin Ochem氏は、「自動車業界の価値がメカニカルな部分からソフトウェア機能へと移行するにつれ、ソフトウェアの安全性を最高レベルで実現することが最重要課題となっています。NVIDIAはAdaおよびSPARKを自社の開発プロセスに取り入れ、そのプロセスを業界全体に公開することで、この分野での卓越した技術的リーダーシップを示しています」と語っています。

AdaCoreについて
AdaCoreは、信頼性・安全性・セキュリティを備えたソフトウェア開発を支援しています。30年以上にわたり、Ada/SPARK、C/C++、Rustなど、安全が求められる分野に適したオープンソースのツールチェーンを提供してきました。最も厳格な業界標準を満たすように設計されたツールチェーンを提供し、開発者がコード開発や認証目標の達成に専念できるようサポートしています。また、高信頼性業界向けに、コンパイラおよび解析ツールの認定資格と認証証拠を提供しています。AdaCoreは、長期的なサポートを約束し、数十年にわたってツールチェーンの継続性と信頼性を保証しています。