AI運用監視プラットフォームのCoralogix、シリーズEで1億1500万ドル調達し、評価額は10億ドル超えのユニコーンに

ソフトウェアおよびAIシステムの監視、セキュリティ管理を提供するプラットフォームを開発するイスラエルのスタートアップ企業、Coralogixは、シリーズEラウンドで1億1500万ドル（約172億円）の資金を調達しました。今回の調達により、同社の累計調達額は3億5000万ドル（約524億円）に達し、企業評価額は前回ラウンド時の6億5000万ドル（約973億円）から大幅に上昇し、10億ドル（約1,497億円）を超えるユニコーン企業となりました。この資金調達の発表に伴い、Coralogixは新たなAIエージェント「olly」を公開しました。Ollyは、迅速にシステムの障害を特定し、修正手順を案内する機能を持ちます。ユーザーが抱える課題を質問を通じて明確にし、重要なインサイトを提供するとともに次のステップを推奨することで、技術者だけでなく非技術者でもシステムの状況把握と対応が可能になります。

今回調達した1億1500万ドルはすべて事業運営の強化に充てられます。同社のCEO、Ariel Assarafによると、資金調達はイスラエルが現在直面する安全保障上の問題が発生する前に完了していたということです。Assarafは、「Coralogixは米国ボストンをはじめ、インド、英国、ドイツ、イスラエルなど世界中に拠点を持つグローバル企業です。研究開発の中心はイスラエルにありますが、インフラは世界各国のサービスおよびデータプロバイダーを通じて分散されています。イスラエルの開発センターは今後も我々の中核拠点であり続け、国内のテクノロジーエコシステムや経済への投資を継続していきます」と語りました。このシリーズEラウンドを主導したのは、米カリフォルニア州に拠点を置くベンチャーグロース企業のNewView Capitalです。また、カナダ年金投資委員会（CPPIB）、Appleの元幹部Avie TevanianとFred Andersonが設立したNextEquityも参加しました。さらにAdvent International、Brighton Park Capital、Revaia、Greenfield Partners、Red Dot Capital Partners、O.G. Venture Partners、StageOne Ventures、Joule Capital Partners、Maor Investmentsなど、既存の投資家も引き続き投資を行っています。

2015年にAriel AssarafとCTOのYoni Farinによって設立されたCoralogixは、テルアビブの開発センターで約250人を含む世界各地に約550人の従業員を擁しています。拠点はボストン、サンフランシスコ、ロンドン、ダブリン、デリー、バンガロール、ベルリン、ブカレストにも展開しています。Coralogixの最大の強みは、単なるシステム監視を超え、組織活動全体をログデータとして捉える点にあります。「私たちのプラットフォームでは、『何が壊れたのか』だけでなく、『どのアプリケーションがユーザーの不満を最も引き起こしているか』といった戦略的な問いにも答えられます。新しいAIエージェントollyがそのデータを処理し、開発者だけでなく組織全体に有益なインサイトを提供します」とAssarafは述べています。Coralogixは、DatadogやSplunkなど業界の大手企業と競合しています。また2024年にはイスラエルのAIスタートアップAporiaを買収しており、今回調達した資金の一部は、同社のチームの拡張とソリューション開発支援にも充てられる予定です。「追加の資金調達を必ずしも必要としていたわけではありませんでしたが、AI分野での取り組みを大幅に加速させる絶好の機会だと考えました。我々はより大規模な企業に匹敵する、強力なポジションを築いているのです」とAssarafは強調しています。

Coralogixについて
Coralogixは、ソフトウェアやAIシステムの監視・管理・セキュリティを提供するイスラエルのスタートアップ企業です。組織全体の活動を包括的なログデータとして扱い、それを基に具体的な改善策を提示する独自のプラットフォームを展開しています。高度なAI技術を駆使し、障害の早期発見や迅速な対応を実現し、企業の効率化と生産性向上を支援しています。