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2025/08/01

Startup Portfolio

FinTechのBilt、Cardlessと提携しクレジットカード事業を再編、年会費カードや住宅支払い対応も拡大

家賃支払い特化型クレジットカードで注目されてきたBilt Technologiesは、米Cardlessとの新たな提携を発表し、これまでのWells Fargoとの関係を解消し2026年2月からカード発行体を切り替えると発表しました。2025年2月には、年会費無料の現行カードに加えて年会費95ドル・495ドルの2種類の有料カードを加え、カードラインナップを3つに拡大する計画です。詳細な特典や還元設計については今秋に発表予定としています。

 

Biltはもともと賃貸住宅の家賃支払いをカードで行い、ポイントを獲得できるユニークな仕組みを提供してきました。従来、賃貸物件ではカード決済に伴う手数料負担から、家賃をカードで支払う文化が根付いていませんでしたが、Biltはこの課題にアプローチし、家賃だけでなくコーヒーなどの少額決済を加えることでポイント獲得条件を満たせる工夫をしてきました。

一方、Wells Fargo側では予想以上に「家賃支払い中心」でカード利用が偏ったことで、銀行側の収益が圧迫され、毎月最大1,000万ドルの赤字を計上する事態となりました。当初想定ではカード決済の65%が家賃以外になる見通しでしたが、実際は35%にとどまったといいます。この損失を背景にWells Fargoは契約を2029年より3年前倒しで終了する決断を下しました。

 

Biltは今後、Cardlessとともに新しいカード設計に舵を切り、「住宅ローン」「学生寮」「分譲マンションの管理費」など家賃以外の住宅関連決済や、より幅広い利用・残高回転を促す戦略へと拡大します。今後は年会費495ドルのハイエンドカードも導入し、ポイントの旅行パートナーやギフトカード、Lyft決済など交換先の充実化や特典内容の差別化を図ります。競合他社もプレミアムカードの年会費を引き上げる中、Biltは「財布のメインカード化」や利用シーン拡大を目指します。Biltの時価総額は資金調達で107億5,000万ドルに達し、米国の賃貸住宅の25%、4万の加盟店で利用可能。元American Express CEOのKen Chenault氏やNFLコミッショナーのRoger Goodell氏も取締役として参画しており、今後の成長と新カード施策に注目が集まります。

 

Biltについて
Bilt Technologiesは、家賃支払い特化型クレジットカードを基軸に、賃貸・住宅・学生寮など多様な支払いに対応するFinTechスタートアップです。ポイント還元と提携特典、柔軟な決済機能で差別化を図り、米国住宅市場を中心に事業を拡大中。米ニューヨーク本社で、著名投資家や業界リーダーが支援しています。

 

TagsFinTechUnited States

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