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2025/12/02

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放射線診断向けの生成AIソリューションRad AI、次世代音声認識を発表 放射線診断レポート作成のスピードと精度を抜本的に向上

Rad AIは、診断レポート作成のスピードと精度を大幅に向上させる次世代音声認識技術(特許出願中)を発表しました。この新技術は同社のRad AI Reportingに統合されており、放射線科レポートのディクテーションにおける新たな業界標準を打ち立てるものです。単に音声を文字起こしするのではなく、臨床コンテキストを理解し、各放射線科医の話し方やスタイルに適応することで、時間・精度・記載品質という放射線診断のボトルネックに直接アプローチします。Rad AIのCEOであるDoktor Gurson氏は、「優れた放射線診断ケアの土台は、速く正確なレポートです。しかし従来のツールはユーザー理解に乏しく、微妙なニュアンスや専門用語の認識に課題があり、放射線科医は誤認識の修正に貴重な時間を費やしています。私たちは文脈を理解する技術を構築することで、医師が“書類作成”ではなく“診断”に集中できるようにしました」と述べています。

 

今回の新システムは、従来の単一エンジン型音声認識とは異なり、複数の音声エンジンとRad AI独自のモデリング、そしてリアルタイムに最も正確な結果を選択する「投票アルゴリズム」を組み合わせたマルチモデルアーキテクチャを採用しています。これにより、静かな読影室から救急部の騒がしい環境まで、あらゆる読影環境で一貫して高精度な認識を実現し、アクセントの違いや話者の重なり、複雑な放射線診断用語にも対応します。放射線診断に特化した言語モデルは、用語・計測値・修飾語に加え、左右差や検査のタイミングといった文脈的な解釈の手がかりも扱えるようチューニングされており、初期評価では「誤認識が明らかに減った」「自然な書き起こしになった」といった放射線科医からのフィードバックが得られています。Rad AIは、「AIによるインプレッション生成」から「音声インテリジェンス」まで、放射線レポートにおける“摩擦”を取り除くことを起点にプロダクト開発を進めているとしています。

 

さらにRad AI Reportingは、音声認識を超えてワークフロー分析と組み合わせることで、放射線科医が「不要な情報を繰り返し口述している箇所」や、テンプレートですでに表現されている「重要な陰性所見(pertinent negatives)」を過剰に説明している部分などを特定し、レポートの簡素化と品質向上の両立を支援します。マルチモデル精度(複数候補の同時比較による最適出力)、放射線科に特化した適応精度、リアルタイムのワークフローインテリジェンス、Rad AI Reportingインターフェース内でのサブセカンド・レイテンシーといった機能を通じて、「speak less, say more(少ない口述で、より多くを伝える)」というコンセプトを実現します。2025年2月にRad AI Reportingを導入したARA Health Specialistsでは、最近の分析で放射線科医の79%がレポートに費やす中央値の時間を短縮しており、COOのJoe Guiffrida氏は「Rad AIへの移行は100%正しい選択だった。最初からパートナーとして真摯に向き合ってくれたことで、今後何年にもわたり医師の診療スタイルを変えていくインパクトが出始めています」と評価しています。

 

今回の発表は、RSNA Venturesとの協業により、100年分の査読付き臨床ガイダンスを読影ワークフローに直接取り込むなど、Rad AIが構築してきたワークフローイノベーションのエコシステムの延長線上にあります。Rad AIは、音声認識、ワークデイ分析、コンテキストインサイトを統合することで、「クリック数を減らし、話す量を減らし、それでいてレポートの明瞭さを高める」という放射線報告の新しい姿を提示しています。2025年のRSNA年次総会では、ブース#4753において今回の音声認識機能を含むRad AI Reportingのデモを実施するほか、「Radiology Reimagined: AI, innovation and interoperability in practice」と題したインタラクティブ展示で、AIアプリケーションをワークフローの要所に統合・スケールさせる手法も紹介する予定です。

 

Rad AIについて
Rad AIは、放射線診断向けの生成AIソリューションをリードする企業であり、放射線科医の働き方を変革し、患者ケアの質を高めることを目指しています。主力製品であるRad AI Reportingは、AIを活用したレポート作成によって放射線レポートの効率・精度・ユーザー満足度を向上させます。先駆的な製品Rad AI Impressionsは、放射線領域で初めて広く採用された生成AIアプリケーションとして、現在では全米数千人の放射線科医に利用されています。また、Rad AI Continuityは、潜在的な新規がん症例のフォローアップを支援する最も包括的なソリューションの一つです。同社は、CB Insights(Digital Health 50, AI 100)やAuntMinnie(Best New Radiology Software 2023, Best New Radiology Vendor 2021)により有望なヘルスケアAI企業として評価されており、2025年にはCNBC Disruptor 50(生成AIの革新的企業)にも選出され、Inc. 5000(米国で最も成長著しい非公開企業ランキング)では第107位にランクインしています。

 

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