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2026/03/16

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欧州の商業核融合実現を目指すフュージョンエネルギーのProxima Fusion、Alpha計画を推進

Proxima Fusionは、Bavaria州、RWE、Max Planck Institute for Plasma PhysicsとMemorandum of Understandingを締結し、欧州における核融合の産業化に向けた大きな一歩を踏み出しました。この合意は、実証機から商業用核融合発電所へと進む単一プロジェクトのもとで、世界トップレベルの核融合科学、資本、インフラ、政治的支援が初めて結集した点で、欧州の核融合開発における転換点と位置づけられています。RWEのCEOであるDr. Markus Krebberは、この提携をBavaria州、Germany、そしてEuropeの将来のエネルギー供給を支える礎だと表現しています。Bavaria州のMinister-PresidentであるMarkus Söderは、この連携がGermanのエネルギー政策だけでなく、世界全体にとっても全く新しい章の始まりだと述べています。今回の取り組みでは、Proxima Fusionが中心となり、欧州の核融合開発を研究段階から実際の産業プロジェクトへと押し進めようとしています。欧州の公共機関と民間セクターが一体となって核融合に取り組む姿勢が明確になったことも、大きな意味を持っています。

 

この構想を現実にするうえで重要なのが、明確な資金調達の枠組みです。Markus Söderは記者会見で、Bavaria州がAlpha projectに対して€400Mの州資金を拠出する方針を発表しました。この州レベルでのコミットメントは、German連邦政府の支援を呼び込むうえでも重要な役割を果たします。GermanyのHigh-Tech Agendaでは、州政府の明確な関与が示されることで国の資金支援が後に続く仕組みとなっており、German政府はすでにFusion Action Planのもとで今後3年間に€2.4B超の公的投資を約束しています。

今回のMoUでは、4者が共同プロジェクト提案に合意しており、Markus Söderは連邦政府の拠出も加わることで、総額€1B超の国家的大型プロジェクトに発展することへの期待を示しました。さらにProxima Fusion自身もAlpha projectに対して€400Mの民間投資を拠出する方針を示しており、総事業費は€2Bと見積もられています。この構造の特徴は、単なる資金規模の大きさではなく、その順序にあります。まずBavaria州が先行して資金コミットすることで、連邦政府の参加リスクを下げ、さらに民間資本を呼び込みやすくする設計になっています。大規模産業プロジェクトを実現するための現実的な資金構造として注目されます。Proxima Fusionは現在、Germany国内でこの水準の州支援を得ている唯一の核融合企業であり、国家レベルの支援獲得競争で優位な立場にあります。米国や中国が大規模資本を投入して核融合開発を進める中、公共と民間が一体となって核融合発電への道筋を制度的に切り開くこの枠組みは、欧州にとって戦略的な差別化要因になるとみられています。Proxima Fusionは、Europeが単に核融合競争に参加するのではなく、勝ちに行く段階に入ったと強調しています。

 

また、連邦政府の最終判断を待たずに、次の重要工程である専用マグネット工場の建設も進める方針です。MoUの一環として、Alphaの正味エネルギー利得実証機はMax Planck Institute for Plasma Physics近郊のGarchingに設置される予定です。Q>1の実証後はIPPがこの装置を引き継ぎ、数十年にわたり科学研究基盤として運用する見通しです。一方、Proxima Fusionは商業用核融合発電所であるStellarisの建設を目指します。そのための次の具体的ステップが、高温超電導マグネットを製造する専用工場の建設です。これらのマグネットは、Proxima Fusionのstellarator構想における中核技術であり、小型で商業性のあるstellarator実現の鍵を握ります。この工場は、RWEのGundremmingen siteに設置される予定であり、ここは将来Stellarisを建設する候補地でもあります。Gundremmingenは既存の原子力ライセンス取得済みサイトであり、インフラ、送電網接続、RWEによる長年の運用知見がすでに蓄積されています。Proxima Fusionのstellaratorは核分裂炉のような原子力規制ではなく、病院や粒子加速器に近い放射線防護規制の対象になる見込みであり、既存の厳格な原子力規制環境を持つ拠点を活用する方が導入を進めやすいとされています。Dr. Markus Krebberも、Gundremmingen siteの再利用は実装速度を高め、コストを下げる点で、世界初の商業核融合発電所をめぐる競争で明確な利点になると説明しています。

 

さらにProxima Fusionは、Alpha Allianceの立ち上げを通じて、1社や1拠点にとどまらない産業連携も広げています。このAllianceには30社を超えるEuropean企業が参加しており、高度製造、極低温技術、高性能材料、パワーエレクトロニクス、システム統合といった分野の知見を持ち寄っています。Alpha projectを中核に据えながら、核融合の実機建設と将来の商業展開に向けた欧州の産業基盤を組織的に動員する狙いです。サプライヤーを早い段階で具体的な建設計画に結び付けることで、重点投資や統合的な核融合サプライチェーンの形成を後押しします。Proxima Fusionは、2030年代前半にAlphaで正味エネルギー利得を実証し、その後まもなくStellarisによってEuropean電力網に核融合電力を供給する構想を掲げています。今回の合意は、単なる地域プロジェクトではなく、Europe全体が核融合を商業化するための最も具体的な道筋の一つとして位置づけられます。公的支援、動員された産業サプライチェーン、すでに始まりつつある製造準備を背景に、Proxima FusionはEuropeの商業核融合実現に向けた中心的存在として存在感を高めています。

 

Proxima Fusionについて
Proxima Fusionは、商業用核融合発電の実現を目指すEuropeanディープテックスタートアップです。stellarator方式を中心に、高温超電導マグネットを活用した小型で商業性のある核融合炉の開発を進めています。科学研究機関やエネルギー企業、政府機関と連携しながら、実証機Alphaと商業発電所Stellarisの開発を通じて、Europeにおける主導的な核融合エネルギー基盤の構築を目指しています。

 

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