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2021/12/21

Startup

イスラエルのフードテックFuture Meatに過去最大シリーズBで3億4700万ドルの投資

動物に危害や苦痛を与えないプロセスで実験室で肉を育てるイスラエルのスタートアップ、Future Meatは、米国に巨大な工場を開設し、消費者への製品価格を劇的に引き下げると発表しました。イスラエルが培養肉で重要な役割を果たすために、また新たな一歩が踏み出されました。Future Meatは、イスラエルで過去最大規模のシリーズBラウンドの完了を発表し、3億4700万ドルとイスラエルのフードテック業界ではこれまでで最大の投資ラウンドとなります。このラウンドは、ADMベンチャーズとMenora Mivtachim Investment Fundが主導しています。Tyson New Ventures、Rich Products Ventures、Manta Ray Ventures、Emerald Technology Ventures、ADM Capital、Bits x BitesおよびSander Groupもこのラウンドに参加しました。

 

Future Meatは、Impossible FoodsやBeyond Meatなど、市場で有名なブランドのような代用肉は製造していません。その代わりに、物理的に肉をベースにした実験用ミートを作っています。同社によれば、動物に苦痛を与えない方法で動物の幹細胞を採取し、それをバイオリアクターで飼育することで製品を製造しています。その幹細胞が筋肉や脂肪細胞になり、成長する過程で無限に増えていきます。つまり、基本的には、最初に細胞を採取した後は、他の動物を使うことなく、何度でも複製することができるのです。同社によれば、このプロセスが肉本来の食感や味を保つことにつながるということです。

 

過去にFuture Meatから、同社の細胞は貨物のない懸濁液で増殖するため、細胞密度が高く、そのため生産工程が通例より10倍効率的です。さらに、同社は細胞の栄養分を工程内で再利用しており、これも生産コストの低減につながります。既存の食肉生産プロセスと比較すると、Future Meatの方法は、必要な栽培面積を99%削減し、温室効果ガスの排出を80%削減することができます。養殖肉が世界を席巻するのを阻む要因は、その生産能力とは別に、もちろん価格です。消費者が何年も続けてきた習慣を変えるには、それがどんなに良いものであっても、高価なものであれば、説得するのは難しいですが、資金調達と並行して、Future Meat社は、1ポンド(約453グラム)の培養鶏胸肉の価格を18ドルから7.70ドルに引き下げることに成功したと報告しています。これにより、昨年5月に発表した「18カ月後にはこの価格になる」という予測を回避することに成功しました。ちなみに、2020年の米国における鶏胸肉の価格は、1ポンド約3.30ドルです。Future Meatは、調達した資金をもとに、2022年に米国で大量生産用の食肉工場を開設する計画を加速させる予定です。同社によると、今年オープンしたイスラエルの既存工場に加え、この種の工場としては最大規模となる予定です。

 

TagsFoodTechIsrael

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