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IBMが、イスラエルのリアルタイムデータ監視Databand.aiを買収
BMは、エラー、データフローの失敗、データ品質の低下など、組織が抱えるデータの問題を解決するためのData Observability(リアルタイムデータ監視)ソフトウェアを開発するイスラエルのデータスタートアップDataband.aiの買収を発表しました。買収完了後、Databandの社員はIBMのクラウドおよびAI部門の社員となり、テルアビブのオフィスで勤務することになります。DatabandはIBMの研究開発部門の一部となり、Databandは同社が顧客に提供するデータ監視の分野の他のツールとともに機能することになります。
今回、IBMが提供するサービスの一部となるDataband.aiが開発したシステムは、InstanaなどIBMが開発した他のツールとともに、アプリケーションの実行に使用するデータが不正確な場合にデータチームやエンジニアに警告を発するという。さらに、Databandのシステムが、現在さまざまな組織のデータ部門で使われているオープンソース製品や商用製品など、IBMのような企業が持つ多くのリソースにアクセスすることで、大きく発展できます。IBMは今回の買収により、Databand.aiのシステムをどのように利用するかを顧客が選択できるようにします。ソフトウェアをセルフホスティングで運用するか、単にすべてをクラウド経由で移行してSaaS製品を入手するかを決めることになります。
Databand.aiは、誤ったデータ処理から生じる問題、すなわち時間の浪費、故障、顧客への被害などを直接経験したデータエンジニアによって設立されました。近年、データの世界は勢いを増し、ほとんどの企業がデータプロセスを持っています。Databandは、組織の情報プロセスで発生した事象を収集、監視、学習することで、開発者が気付く前にデータの問題を発見し、予測するプラットフォームを開発することにしました。開発されたプラットフォームは、問題が発生するとすぐに対処する方法を知っています。問題の原因を突き止めることで、Databandは時間を節約するだけでなく、技術的な問題がビジネスや会社全体の問題になるのを防ぎます。通常、この問題はチームからチームへと飛び回り、夜中でも対応しなければならないほど重大なのです。同社の創業者の1人でありCPOのビクター・シャフランは、リモートワークへの移行とデジタル変革により、ますます多くの組織がDatabandのようなプラットフォームをこれまで以上に必要としていると述べています。
Databand.aiは、Shafran、Josh Benamram(CEO)、Evgeny Shulman(CTO)により2018年に設立され、オフィスはテルアビブにあります。両社は買収額を明らかにしていませんが、推定によると、これまで約2200万ドルを調達していた同社に、IBMは1億ドルから5000万ドルを支払ったみたいです。出資者には、Accel、Blumberg Capital、Bessemer Venture Partners、Ubiquity Ventures、Differential Ventures、F2 Capital、Lerer Hippeau fundなどの有名なファンドが名を連ねています。