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次世代AI基盤の共同開発へ、AI企業のG42とMistral AIが戦略的提携を発表
アブダビを拠点とするテクノロジー企業G42と、パリに本社を置くAI企業のMistral AIは、次世代AIプラットフォームとインフラの共同開発に向けた戦略的提携を発表しました。この提携は、フランスで開催された「Choose France Summit」で明らかにされ、両社の強みを生かした大規模なAI技術革新を目指します。G42は、AIインフラを手掛ける子会社のCore42と、AIプラットフォームやソリューションを開発するInceptionを通じ、大規模なAIの運用能力を有しています。一方のMistral AIは、最先端の研究開発力を持つオープンウェイトの大規模言語モデルのパイオニアとして知られており、両社の連携によって、モデルのトレーニングから特定業界向けの応用まで、幅広いAIバリューチェーンを網羅する予定です。
今回の提携は、両国政府間で2025年2月に締結されたAI協力合意の一環であり、UAEのシェイク・モハメド・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン大統領とフランスのマクロン大統領も支持しています。アブダビは今年に入り、多くの国際的なAIパートナーシップを結んでおり、今回のMistral AIとの協力は、世界のAI技術の方向性を大きく左右する可能性があります。さらに、この提携では技術の自律性や知的財産の管理にも配慮し、相互運用性を保ちながら主権的な技術活用を目指しています。両社はまた、互いの市場で製品を相互推進するだけでなく、特にテクノロジーインフラが整備されていない地域を含む新たな市場への共同進出も検討しています。また、Mistral AIはアブダビにある世界初のAI専門大学であるモハメド・ビン・ザーイド人工知能大学(MBZUAI)とも協力し、高度なAI基盤モデルの研究開発や人材育成、実用的なAIソリューションの開発に取り組む予定です。2025年2月にMistral AIが発表した地域特化型言語モデル「Mistral Saba」は、アラビア語や南アジア諸言語の処理性能で世界的な注目を集めました。こうした地域に特化したモデル開発は、G42との協業の重要な柱になると期待されます。
G42について
G42はアブダビに本拠を置くグローバルなAIおよびテクノロジー企業です。AIを活用したインフラ開発やソリューション提供を通じて、多様な業界において革新的な技術を推進しています。
Mistral AIについて
Mistral AIはパリに拠点を置くAI企業で、大規模なオープンウェイト言語モデルを中心に革新的な研究開発を行っています。特に地域言語に特化した高性能なモデル開発を強みとしています。
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