リモートセンシングのQuantum SystemsとPlanet、欧州防衛向けに衛星ドローン連携のAI「Tip & Cue」監視ソリューションを企画

Planet Labs GmbH（地球上の変化を日次で観測する衛星データプロバイダー）と、ドイツ拠点の無人システム企業Quantum Systemsは、AIを活用した「Tip & Cue」型インテリジェンスソリューションに関する顧客ニーズの共同調査を目的とした戦略的パートナーシップを発表しました。本提携は、Planetの広域衛星変化検知および超高解像度（VHR）タスキング能力と、Quantum Systemsの高精度偵察ドローンソリューションを組み合わせ、特に欧州の防衛顧客向けに、より効率的で実行可能性の高い監視・偵察ワークフローのコンセプト検証を進めるものです。両社は、欧州を中心とした事業基盤を活かし、現場で即応可能な補完的ソリューションに対する緊急性の高いニーズに応えようとしています。両社の技術能力は欧州防衛の優先事項と合致しており、将来的な共同ソリューションでは、広域衛星データに対してAI解析を行い、前線のドローン部隊に対して「迅速かつ実行可能なキュー（Cue）」を提供することを意図しています。

PlanetのChief Revenue OfficerであるCharlie Candyは、「この戦略的パートナーシップは、宇宙領域と無人航空機（UAV）領域をまたいだ“Space＋UAV”の防衛コミュニティに対し、欧州発のイノベーションドリブンな、実行可能なニアリアルタイム・インテリジェンスを届けるうえで重要な一歩です」と述べています。さらに、「このマルチインダストリー連携のコンセプトを市場に提示することで、単なるデータ提供を超えた具体的なオペレーション価値を目指します。PlanetとQuantum Systemsはすでにウクライナ防衛を支援する重要なパートナーとなっており、この提携によってインパクトを最大化し、他の欧州諸国にも平和と安定を守るための最適なツールを提供していきたいと考えています」とコメントしています。

製品コンセプトとしては、Planetの広域監視衛星データとVHRタスキング、加えてPlanetの解析フィードを組み合わせることで、広いエリアに対する自動変化検知を実現し、新たな注視ポイント（Tip）を特定します。そのアラートがQuantum SystemsのMOSAIC UXSソフトウェアスイートと連携し、割り当てられた無人機を詳細偵察に出動させる「精密なCue」を自動生成するという設計です。これにより、貴重な高性能ドローン資産を、確証された重要ターゲットにのみ投入することが可能となり、作戦精度とリソース効率が大幅に向上するとともに、分析官の認知的負荷も軽減されます。

Quantum SystemsのCo-founder & Co-CEOであるFlorian Seibelは、「Planetとの協業により、軌道上からのインテリジェンスを直接オペレーターの手元に届けることができます。広域をカバーする地球観測衛星からのインサイトを活用することで、オペレーターと展開中のアセットは、より精度が高く有効な意思決定を行えるようになり、同時に安全性も高まります。この補完的な技術を共同で推進することは、お客様にとって最も重要な能力への投資であり、戦略的なデータを迅速かつ正確な意思決定に結びつけるという、両社のコミットメントの表れです」と述べています。今回のパートナーシップは、欧州防衛分野における衛星・ドローン融合型のAI監視ソリューションの可能性を探るものであり、今後の製品化に向けた顧客フィードバックの収集とコンセプト検証を進めていく構えです。

Quantum Systemsについて
Quantum Systemsは、AI搭載無人システムの開発をリードする欧州発のDefenseTechスタートアップです。軍・政府機関・民間企業向けに、自律型および統合型のミッションソリューションを提供し、実績あるハードウェアに人工知能と相互運用可能なソフトウェアを組み合わせることで、クリティカルなオペレーションに必要な信頼性の高いインテリジェンスを提供しています。エッジコンピューティングやAIベースのリアルタイムデータ処理などの先端技術を活用し、空・陸・海の各ドメインからのデータ統合と高速・高精度な意思決定を実現しています。2015年創業、本社はミュンヘン近郊のOberpfaffenhofen Special Airportにあり、米国、オーストラリア、ウクライナ、英国、リトアニア、エストニア、ルーマニアに拠点を構え、データドリブンな防衛ソリューションの未来を切り拓く信頼性の高いテクノロジーを世界に提供しています。