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2025/11/25

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HealthTechのAbridge、AIドキュメンテーションプラットフォームを展開し、多言語患者ケアと臨床負担軽減を支援

Abridgeは、イリノイ大学シカゴ校のアカデミックヘルスエンタープライズであるUI Healthが、入院・外来・救急を含む全ケア領域で同社のエンタープライズ向けAIプラットフォームを導入すると発表しました。目的は、臨床現場のドキュメンテーション負担を軽減しつつ、多様な患者層に対するケア体験を向上させることです。

 

UI Healthは年間140万人の患者を診療しており、その多くが多言語・多文化背景を持つ人々です。Abridgeの自動音声認識(ASR)技術は、このような環境を想定して設計されており、英語以外の言語で患者と会話するバイリンガル医療者をサポートします。サポート対象にはスペイン語、アラビア語、ポーランド語、中国語(北京語・広東語)など、幅広い言語が含まれています。UI HealthのClinical Emergency Medicine准教授兼Chief Medical Information OfficerであるDr. David Chestekは、「私たちは、ケアを提供する側の職員と、それを受ける患者の両方にとって最良の体験をもたらすテクノロジーを優先しています」と述べ、「Abridgeの導入では、臨床医のドキュメンテーション負担をいかに軽くするか、そして多様な患者層に対してよりシームレスな体験をいかに提供できるか、という点にフォーカスしてきました」と語っています。

 

実際、以前に実施したパイロットフェーズでは、Abridge導入後にPress Ganeyアンケートの「提供者はあなたに理解できる形で説明しましたか?」という設問に対する患者のスコアが91%から97%へと6ポイント改善したと報告されています。これは、会話の内容がより明確に伝わり、患者の理解度と満足度が向上したことを示唆しています。AbridgeのAIプラットフォームは、UI Healthが利用しているEpic Systemsの電子カルテ(EHR)と深く統合されており、直感的なインターフェースを通じてケアチーム全体に迅速に展開できるよう設計されています。これにより、コンプライアンスを維持しながらシステム全体での採用・活用が進めやすくなります。

AbridgeのCEO兼Co-Founderであり、現役の循環器内科医でもあるDr. Shiv Raoは、「Abridgeは、“臨床医が患者をあるがままの姿で理解し、その場で寄り添う”という、最も重要なことの一つを支えるツールです」とコメントしています。UI Health全体への今回の導入は、Abridgeが展開するエンタープライズ向けAIドキュメンテーションソリューションのスケールと、臨床現場の多言語・多診療科ニーズに応える実用性を裏付けるものと言えます。

 

Abridgeについて
Abridgeは2018年に設立されたヘルスケア特化のAI企業で、「医療における理解をより深くすること」をミッションとしています。現在、米国の大規模かつ複雑なヘルスシステム200以上に採用されており、エンタープライズグレードのAIプラットフォームとして、診療時の会話を即座に臨床的に有用で請求可能なドキュメントに変換します。これにより、事務作業の負担と燃え尽き症候群(バーンアウト)を軽減しながら、患者体験の向上に寄与します。AbridgeはEpicなどのEHRと深く統合されており、28以上の言語と50以上の診療科をサポートしています。外来、救急、入院といった多様なケア環境で利用されており、広範なユースケースに対応可能です。同社のAIプラットフォームはヘルスケア専用に設計されており、「Linked Evidence」と呼ばれる仕組みによって、AIが生成したサマリーを元データと1対1でマッピングできる点が特徴です。これにより、臨床医はAI出力を迅速に信頼し、必要に応じて検証することができます。生成AIを医療分野で実用化したパイオニアとして、Abridgeはヘルスシステム全体での責任あるAI導入の標準を打ち立てつつあります。

 

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