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DevOpsとデータサイエンスを統合するDatadog、Metaplaneの買収でデータ可観測性機能を追加へ
クラウドモニタリング企業のDatadogは、データ可観測性(データ・オブザーバビリティ)スタートアップのMetaplaneを買収し、自社プラットフォームに同機能を統合すると発表しました。この動きは、企業内で進みつつあるDevOpsとデータサイエンスのチーム統合を背景にしています。Metaplaneは2019年に米ボストンで創業され、機械学習を用いてSnowflakeなどの大規模なデータウェアハウスにおけるデータ品質や配信の問題を自動的に検知するツールを開発してきました。同社の創業者であるKevin Hu氏とエンジニアリングチームはDatadogに合流し、今後Datadogのプラットフォーム上で製品を再構築することになります。
Datadogの製品担当副社長であるMichael Whetten氏は、この買収について、「近年、多くの顧客がデータオペレーション(DataOps)とDevOpsのチームを統合し、統一的なツールを求めるようになったことがきっかけです。これまでビジネスインテリジェンス領域に限定されていたデータ活用が、リアルタイムの大規模運用へとシフトしています」と説明しています。MetaplaneのCEOであるKevin Hu氏も「データ品質の問題が生じた際、Kafkaなどのデータパイプラインや上流システムとの連携が十分でないと、原因特定が難しいことが多々ありました。Datadogへの統合によって、これらの課題を解決し、データ品質問題の原因を正確に特定できるようになります」と期待を寄せています。このようなDevOpsとDataOpsの融合トレンドは、AIや生成型AIを用いたアプリケーション開発が普及するにつれて加速する可能性があります。アナリストのGregg Siegfried氏(Gartner)は、「AIの関心が高まる中で、これまで別々に管理されていたデータチームとITチームのツールが統合される動きは今後ますます進むかもしれません」と述べています。また、Forrester ResearchのアナリストChris Condo氏も、「AI時代においてはデータの品質管理が極めて重要であり、大規模言語モデル(LLM)が現代のアプリケーションアーキテクチャの重要な一部となっている今、こうしたツールの統合は自然な流れと言えます」と指摘しています。
Datadogは、年内にMetaplaneの機能を自社プラットフォーム上で提供する予定です。それまでMetaplaneは「Metaplane by Datadog」として既存顧客のサポートを継続しますが、以後はDatadogプラットフォームに移行が必要となります。これにより、データ品質問題の迅速な検知と対応が可能になり、企業にとってはデータ駆動型アプリケーションの安定性と品質が大きく向上すると期待されています。
Metaplaneについて
Metaplaneはボストンに本拠を置くスタートアップで、機械学習を活用したデータ可観測性プラットフォームを提供しています。Snowflakeをはじめとする大規模なデータウェアハウスのデータ品質・配信問題をリアルタイムで検知・通知することで、データ運用の信頼性向上を支援しています。
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