オンライン依存症治療のEleanor Health、ニューメキシコ州へ展開し全米展開を加速

依存症治療を専門とする米国のスタートアップEleanor Healthは、新たにニューメキシコ州でオンライン治療サービスを開始しました。同社にとっては9州目の展開となり、4月28日よりサービスを提供しています。今回のニューメキシコ州への進出は、地域の医療ニーズに加え、投資家および保険会社の要望が決め手となりました。同社CEOのWilliam McKinney氏は、「ニューメキシコ州では保険会社が特に新しいアプローチを求めていました。さらに、複数州への展開を前提とした新たな保険会社との契約があり、その中でニューメキシコ州が重要な地域となっています」と説明しています。

Eleanor Healthはマサチューセッツ州ウォルサムに本社を置き、他の州では実店舗型の治療施設も展開しています。同社はまずオンラインでのサービス提供を開始し、今後需要が高まればニューメキシコ州でも実店舗の開設を検討しています。当面は現地で医療従事者の雇用を進めるとともに、他州のスタッフを相互認可制度を通じて配置し、サービス提供能力を拡充する方針です。ニューメキシコ州では2021年以降、薬物過剰摂取による死亡者数が8%減少していますが、依然としてアルコール関連の死亡率は全米で最も高く、薬物依存症に関しても国内で6番目に深刻な状況が続いています。同州議会の2023年の報告書によれば、州の薬物依存症対策には多額の投資が行われているものの、データの活用が不十分で、適切な治療やニーズへの対応が遅れているとの指摘があります。また、州の人口の多くが地方に居住していることから、依存症治療へのアクセスが困難となっており、Eleanor Healthが提供するオンライン治療は大きな解決策となりうると期待されています。

McKinney氏は「当社のサービスは主にオンラインで提供されるため、ニューメキシコ州の幅広い地域に対応可能です。今後1年以内には、州内の都市部で需要が集中した場合に、実店舗型クリニックの開設を目指したい」と述べています。同社は経済の不透明感にもかかわらず成長を加速させており、年内には展開州の数を約2倍に増やす計画です。また、新たな保険会社との提携も進めており、事業基盤をさらに強化していく考えです。McKinney氏は「5年後には、依存症治療だけでなく、人々が生活の質や健康を改善する支援を求める際に、真っ先に思い浮かべるようなプラットフォームに成長していることを目指しています」と今後の展望を語っています。

Eleanor Healthについて
Eleanor Healthは米国マサチューセッツ州ウォルサムに本社を置く依存症治療を専門としたヘルスケア企業です。オンラインと実店舗を組み合わせたハイブリッド型の治療モデルを展開し、個人に最適化された依存症治療を提供しています。同社のサービスは患者のメンタルケア、身体的ケア、社会的サポートを包括的にサポートすることを特徴としています。