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2025/07/18

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Vector DatabaseのQdrant、開発効率と複雑性を大幅に改善する「Qdrant Cloud Inference」を正式リリース

ベルリン発のベクターデータベーススタートアップQdrantは、非構造化データのベクター埋め込み(ベクトル化)を、保存・インデックス管理と同一のデータベース環境内で直接生成・運用できる新サービス「Qdrant Cloud Inference」を正式リリースしました。これにより、複数のベクター基盤をまたいでデータを移動・管理する従来の手間が不要となり、AIアプリケーション開発のスピードとシンプルさが大幅に向上します。通常、テキストや画像といった非構造化データをベクトルに変換(埋め込み)する作業は別環境で行われ、それをベクターデータベースに転送してインデックス化する必要がありました。Qdrant Cloud Inferenceはこのプロセスを統一し、開発者が自然言語ベースのAIエージェントや業務アシスタントをより迅速に構築できるよう支援します。

 

Enterprise Strategy GroupのアナリストであるStephen Catanzano氏は、「Qdrant Cloud Inferenceは、ベクトル生成と検索を一つの環境に統合し、レイテンシやネットワークコストを削減できるという点で非常に重要です」と述べています。同社は既にPythonベースのOSSライブラリ「FastEmbed」を提供していましたが、ユーザーから「ベクトル生成と検索を完全に統合してほしい」という要望が多く寄せられたことを受け、今回のサービス開発に至ったと、共同創業者でCEOのAndre Zayarni氏は語ります。Qdrant Cloud Inferenceは、MiniLMやSparse Lexical and Expansion Model、Mixedbread Embed Large、Contrastive Language-Image Pre-training(CLIP)などのテキスト・画像埋め込みモデルをネイティブ統合。今後さらにモデルを追加予定です。また、各モデルごとに月間500万トークンまで無償で使用可能(BM25については無制限)という提供条件も開発者にとって魅力です。

 

市場には他にもベクトル生成と管理を一体化した製品がありますが、Qdrantはテキスト・画像の両方に対応する「マルチモーダル統合機能」を同一環境内で提供している点で差別化されており、Catanzano氏は「これは市場において比較的ユニークな機能であり、他社が今後追随すべき進化の方向を示している」と指摘しています。今後の展望として、Zayarni氏は「高精度・リアルタイム検索を強化し、ベクトル技術を用いた開発体験をさらに簡素化する」ことを目指し、Microsoftと連携したナチュラルランゲージ・インターフェースの研究開発も進めていると述べています。Catanzano氏は、モデルの選択肢拡大、業種別ツールの開発、AI開発パートナーとの協業強化、ハイブリッドクラウド対応の拡充などが、今後Qdrantの市場競争力をさらに高めるための方向性であると提案しています。

 

Qdrantについて
Qdrantは、オープンソースおよびマネージドクラウド版を提供するベクターデータベースベンダーで、非構造化データの検索・活用を簡素化する高性能なベクトル検索基盤を構築しています。競合にはPineconeやWeaviate、あるいはベクトル機能を統合してきたAWSやOracleなどが存在します。Qdrantは、自然言語処理や生成AIに必要なリアルタイム・ベクターインフラの標準を再定義することを目指しています。

 

TagsDevOpsAI

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