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2025/12/12

Startup Portfolio

大規模AIプロダクト向けの推論基盤のBaseten、ポストトレーニングのParsedを買収し推論から継続学習までを統合

Basetenは、強化学習を活用したポストトレーニングと継続学習を専門とするスタートアップParsedを買収したと発表しました。Basetenは急成長するAIプロダクトの推論基盤を提供する企業で、Parsedは大規模モデルの学習後工程や継続学習に強みを持つreinforcement learningスタートアップです。Parsedの研究者・エンジニアチームは以前からパートナーとしてBasetenの顧客と近い形で協働しており、今回の買収により、Parsedの技術とチームをBasetenの中に取り込み、推論、データ、評価、ポストトレーニングを単一プラットフォームで一体化する方針です。

BasetenのCo-Founder兼CEOであるTuhin Srivastava氏は、AIスタックの中で推論が最も重要で、かつ継続的に価値が残りやすい領域だと述べています。そのうえで、推論の価値を時間とともに高める鍵は「継続学習」であり、実運用のデータと評価結果を用いて、より良く、より速く、より安価なモデルへと改善し続けることだと強調しました。Parsedは強化学習とポストトレーニングに世界水準の知見を持つとして、内製化することでAIライフサイクル全体をカバーできるとしています。

 

企業は医療領域の自動記録作成やAIを活用したGTMツールなど、汎用モデルから、単一の高価値タスクに最適化された特化型モデルへと移行しつつあります。Basetenは、応用AI研究、柔軟なインフラ、開発者向けツール群を統合することで、カスタムモデルやオープンソースモデルを本番環境で数百万人規模までスケールさせることを可能にしてきました。Parsedはこの基盤を補完し、実際の利用データから適切な学習シグナルを設計する垂直統合型のポストトレーニングを提供します。具体的には、何を報酬として強化し、何をペナルティとして抑制し、そのフィードバックをどのように勾配更新へ反映させるかを定義し、モデルが使われるほど性能が上がる仕組みを実装します。ParsedのCofounder兼CEOであるMudith Jayasekara氏は、世界が必要としているのはさらに巨大な汎用モデルではなく、特定の仕事を深く理解し、継続的に上達するモデルだと述べ、Basetenの推論基盤と学習を結びつけることで可能性が広がると語っています。

 

Parsedは研究力と実務志向を併せ持つチームで、共同創業者はOxfordで博士課程中に出会ったChief ScientistのCharles O’Neill氏と、Rhodes ScholarでもあるMudith Jayasekara氏、Max Kirkby氏です。ML Alignment & Theory Scholars、Cambridge、Stanford、NASA、Johns Hopkinsなどでの研究経験を背景に持つとされています。Srivastava氏は、顧客が買うのは「学習」や「推論」といった部品ではなく、実務をこなすAIそのものだと述べ、Parsedの学習システムとBasetenの推論プラットフォームを統合することで、使うほど賢くなる特化型・高性能モデルを動かすための決定的な場所をつくるとしています。なおBasetenは直近で1億5,000万ドルのシリーズDを完了し、企業価値は21.5億ドル、累計調達額は2億8,500万ドル超に達したとしています。

 

Basetenについて
Basetenは、大規模AIプロダクト向けの推論基盤を提供するAI Inference企業です。性能、信頼性、コスト効率を重視した推論スタックを提供し、オープンソース、カスタム、微調整済みモデルを本番環境で大規模に運用できるよう支援します。応用研究とプロダクション品質のインフラ、開発者体験を組み合わせることで、チームが次世代AIプロダクトを構築し、ユーザー規模に応じてスケールできるようにします。BOND、CapitalG、IVP、Spark、Greylock、Convictionなどの支援を受け、急成長するAI企業の中核プロダクトの推論を支える存在として採用されています。

 

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