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Oncology BiotechのAvenzo Therapeutics、CDK2阻害薬AVZO-021の第1/2相試験の初期データを発表
Avenzo Therapeuticsは、次世代がん治療の開発を進める臨床段階のバイオテクノロジー企業として、CDK2に選択的に作用する阻害薬AVZO-021の進行中の第1/2相臨床試験における、第1相パートの初期臨床データを公表しました。データは2025 San Antonio Breast Cancer Symposiumで報告され、ホルモン受容体陽性(HR+)かつHER2陰性(HER2-)の乳がん、およびcyclin E1(CCNE1)増幅を伴う卵巣がんを含む患者で、客観的奏効を含む予備的な臨床活性が示されたとしています。安全性面では、他のCDK阻害薬でしばしば問題となる消化器系および血液学的な有害事象の発現率と重症度が比較的低く、全体として忍容性が良好だったとしています。
Case Western Reserve UniversityのUniversity Hospitals Seidman Cancer Centerで乳がん腫瘍内科プログラムのClinical Directorを務めるAlberto J. Montero氏は、HR+/HER2-乳がんでは特にCDK4/6阻害薬治療後に進行した患者においてCDK2が重要な耐性機序として注目されていると述べ、AVZO-021が活性と忍容性を示したことに加え、他剤との併用での活用可能性も示唆される点が注目されるとコメントしています。
今回の解析は2025年10月10日をデータカットオフとして実施されました。AVZO-021単剤では、進行固形がんの患者35人に対して9段階の用量で投与され、併用療法ではHR+/HER2-乳がん患者10人に対してAVZO-021とfulvestrantの併用が2段階の用量で投与されました。転移性疾患における既治療歴の中央値は3.0で、HR+/HER2-乳がん患者は全員が少なくとも1種類のCDK4/6阻害薬による前治療を受けていました。有効性評価対象は、単剤では150mgを1日1回(QD)以上の用量で投与され、ベースライン後の画像評価が少なくとも1回あるHR+/HER2-乳がんまたはCCNE1増幅固形がんの患者19人、併用ではベースライン後の画像評価が少なくとも1回あるHR+/HER2-乳がん患者9人でした。
安全性解析では合計45人が対象で、20mg QDから250mg QDまでの単剤群35人と、150mg QDおよび200mg QDでfulvestrantと併用した乳がん患者10人が含まれました。20%超で報告された治療下で出現した有害事象は、悪心が44%、疲労が38%、貧血が33%、嘔吐が29%で、多くはグレード1または2であり、治療中止に至った症例はなかったとしています。薬物動態の結果からは、90mg QD以上でCDK2標的の連続的なカバレッジが得られた可能性が示され、150mg QDでは単剤とfulvestrant併用で曝露量が同程度であったことから、薬物相互作用は示唆されないとしています。さらに循環腫瘍DNA(ctDNA)の有意な減少が観察されたと報告しています。
有効性については、単剤の有効性評価対象19人のうち3人で奏効が確認され、内訳はHR+/HER2-乳がん2人(奏効の発現は15週および36週)と、CCNE1増幅卵巣がん1人(35週)でした。さらに治療継続中の7人で病勢安定が得られ、そのうち6人はHR+/HER2-乳がんでした。併用療法では、有効性評価対象のHR+/HER2-乳がん9人のうち1人で奏効が確認され、奏効の発現は7週で、確証スキャンはデータカットオフ後に取得されたとしています。治療継続中の3人で病勢安定が得られました。奏効した患者は全員が治療を継続しており、2人は48週を超えて治療を継続しているとしています。Avenzo TherapeuticsのCo-founder兼Chief Medical OfficerであるMohammad Hirmand氏は、複数の患者で時間とともに改善が見られ治療継続に至っている点を含め、初期の安全性と有効性データに手応えがあると述べ、同社の高い選択性と強力なCDK4阻害薬AVZO-023との併用開発を進める方針を示しました。同社は同学会で、AVZO-023の第1/2相試験デザインについても、単剤およびAVZO-021や内分泌療法との併用を含めて提示したとしています。
Avenzo Therapeuticsについて
Avenzo Therapeuticsは、患者向けの次世代オンコロジー治療の開発に注力する臨床段階のバイオテクノロジー企業です。パイプラインには、ベストインクラスを狙う低分子阻害薬と抗体薬物複合体(ADC)が含まれます。低分子のAVZO-021とAVZO-023は、それぞれ細胞周期制御に関わる重要酵素CDK2とCDK4に対する新規の高力価・高選択性阻害薬で、進行固形がんおよびHR+/HER2-転移性乳がんにおける併用を含む第1/2相試験で評価されています。ADCでは、EGFR/HER3二重特異性ADCのAVZO-1418と、Nectin4/TROP2二重特異性ADCのAVZO-103が、いずれも進行固形がんを対象とする第1/2相試験で検討されています。Avenzo Therapeuticsは米国カリフォルニア州San Diegoに本社を置いています。
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