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2026/07/09

Startup Portfolio

高速な推論処理を実現するAIチップ企業の"SambaNova"がSeries Fの1st Closeで$1Bを調達し評価額が$11Bに急拡大

SambaNovaは、General Atlanticがリードし、Intel、T. Rowe Price Associates、Battery Ventures、BlackRock、Qatar Investment Authority(QIA)などが参加したSeries Fの1st Closeで$1Bを調達し、企業評価額は$11Bとなりました。今後さらに複数の投資家が参加する見込みです。

「今後数週間のうちに、さらに数社の投資家が参加し、セカンドクローズで資金調達が完了する見込みです」とSambaNovaのCEO兼共同創業者であるRodrigo Liangは述べています。

超大規模モデルを扱うことを前提に設計した高速な推論処理を実現するAIチップ企業のSambaNovaは、SN50チップを発表し、それにあわせて2月にSeries Eで$350Mを調達してから約5カ月後に実施されたものです。またSambaNovaはIntelとの買収交渉も進めており、その取引では企業価値がおよそ$1.6Bと評価されていたと昨年12月に報じられていました。

Series EとSeries Fを完了したことで、2017年創業のSambaNovaが独立路線を維持する方針を固めたのかと尋ねられると同社のCEOは明言を避けました。同氏は、現在も継続的に買収の打診を受けており、このダイナミックなAI市場では、そのようなEXITの可能性は引き続き開かれているものの、現在の勢いと成長を踏まえると、「いずれは株式公開する可能性が最も高い」と述べています。

Series Cから出資しているIntelは、今回のラウンドにも参加しており、SambaNovaとの関係をさらに深めています。5カ月前、創業9年目の同社は、IntelのXeonチップをベースとしたAI推論開発を支援するため、Intelと複数年にわたるパートナーシップを発表しました。現在では両社は製品を共同開発し、共同で市場展開も行っています。「この関係によって、Intelのスケールと私たちの技術を組み合わせることができます」と同氏は述べています。

今回の資金調達とあわせて、SambaNovaはJPMorganChaseから「推論インフラパートナー」に選定されたことも発表しました。同社のSN40LおよびSN50システムは、JPMorganChaseにおいて、安全なオンプレミス環境でのAI推論基盤として活用される予定です。

「JPMorgan Chaseが推論ソリューションとしてSambaNovaを採用したことは非常に大きな出来事です。これは銀行業界に対し、クラウドサービスのみに全面的に依存する時代ではないというメッセージになります。銀行は異種混在型(heterogeneous)のインフラを求めています。」と同氏は述べています。

このJPMorganChaseでの採用は市場全体へのシグナルになると考えられます。同氏によれば、「JPMorganクラスの銀行」が、最も機密性の高いAIモデルの推論を実行するために、自社専用で安全なインフラを構築し始めています。この動きは銀行業界だけでなく、他の業界にも広がると見ています。

さらに同氏は、企業や政府は「ようやくAI活用のスタート地点に立ったところです」と述べています。これまでAI市場の成長の多くは、AIモデル開発企業やフロンティアAI研究機関に集中しており、依然として「非常に大きな収益機会」が残されていると説明しました。

SambaNovaは2023年9月にSN40Lをクラウド向けに提供開始し、2023年11月からはオンプレミス版も提供しています。2026年2月に発表された次世代SN50は、2026年後半から顧客への出荷を開始する予定であり、SoftBankが最初の導入パートナーになると同氏は述べています。

同氏は、SambaNovaの強みは「プレミアム推論」にあると説明しています。すなわち、最大規模のAIモデルを高速で実行できることです。現在の最先端AIモデルは数兆パラメータ規模となっており、SambaNovaはそのような超大規模モデルを扱うことを前提に設計されています。同社は数兆パラメータ規模のモデルを1つのラック内に収容できるため、高速な推論処理を実現できます。

SambaNovaは顧客を3つのカテゴリーに分類しています。1つ目はソブリンクラウドです。これは各国政府が現地パートナーに資金提供し、独自のプライベートクラウドを構築する取り組みであり、同氏はこの分野でSambaNovaが中核的な役割を果たすと期待しています。2つ目はNeocloud事業者です。3つ目は、自社利用のためにAIインフラを構築する企業です。同社はJPMorganに加え、Saudi Aramco、Intel、および日本企業数社を顧客として挙げています。

SambaNovaは今回調達した資金を事業拡大とサプライチェーン強化に充てる方針です。同氏は、現在は「信じられないほど大きな需要の波」が到来していると述べています。

同氏は「私たちはこの資金をサプライチェーンの確保に活用します」と語り、今後12カ月間に受注を確実に履行し、必要な部材を調達するために不可欠な投資であると説明しています。

TagsAIDeepTech

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