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2026/09/23

Startup Portfolio

生成AIのMistral AI、広告制作AIのPimentoを買収し業務アプリケーション領域へ踏み込む

Mistral AIが、パリに拠点を置くPimentoを買収しました。Pimentoはマーケティング部門向けに、AIで広告クリエイティブを制作するソフトウェアを手がけるスタートアップです。取引条件は公表されておらず、フランスの複数の媒体は買収額を数百万ユーロ規模と伝えています。同社はAFPの取材に対して買収を認めています。Pimentoの創業者Florent Facqは、自身のチームがMistral AIのエンジニアリングとプロダクトの部門に加わり、対話型エージェントVibe(旧Le Chat)の利用体験の改善にあたると述べました。

Pimentoは2022年10月に、Pass Cultureでプロダクトと戦略を統括していたFlorent Facqと、アメリカのAppleを経てNablaに在籍したTomás Yanyが設立しました。当初は創作チームの発想段階を生成AIで支援する道具として出発し、ブリーフに視覚的な参照を加えて複数の方向性を探る使い方を想定していました。その後は広告の成果に近い領域へ製品を移し、現在はブリーフとブランドの識別要素、さらにキャンペーンの実績データをもとに、色やフォント、ロゴを踏まえた広告素材を生成、編集、寸法変更、アニメーション化できる仕組みになっています。今夏にはPixと呼ぶ対話型のクリエイティブ・アシスタントも加えました。2023年12月にはPartechとCygni Capitalから300万ユーロを調達しています。

今回はMistral AIにとって3件目の買収で、30億ユーロの調達から2週間足らずでの発表です。同社は2月にフランスのサーバーレス基盤企業Koyebを、5月にはオーストリアで産業向けの物理シミュレーションAIを手がけるEmmi AIを取得しており、Koyebが基盤、Emmiが分野特化の専門性、Pimentoがマーケティング業務に沿った応用という形で層を重ねています。基盤モデルを提供して他社が応用を組み立てるという構図から、業務で使われる完成品の領域へ自ら踏み込む動きになります。Pimentoは当初からStable DiffusionやLlamaといったオープンソースのモデルを用い、Mistral AIのモデルの利用も予定していると説明していました。なお、Mistral AI自身による公式発表はまだ確認できていません。


Mistral AIについて
Mistral AIとは、2023年に設立されたフランスの人工知能企業で、本社はパリにあります。Google DeepMind出身のArthur Menschと、Meta Platforms出身のGuillaume Lample、Timothée Lacroixが共同創業し、MenschがCEOを務めます。3人はエコール・ポリテクニークで出会いました。重みを公開するオープンウェイトの大規模言語モデルを中心に、開発者向けAPI、対話型サービス、法人向けの導入基盤を提供しています。ヨーロッパにおける独立した選択肢として、主権性と開放性を重視したAI基盤を築くことを掲げています。

 

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