Startup
Microsoft、イスラエルのPeer5ビデオストリーミング技術でTeamsをアップグレード
Microsoft は、人気の高いワークツール Microsoft Teams をさらに進化させようとしていますが、その道のりはもちろんイスラエルのハイテク技術を経由したものです。Peer5は、ライブビデオチャットのフリーズやバッファリングなど、リモートワークで最も厄介な現象を最小限に抑える技術を開発しているイスラエルのベテランスタートアップです。Peer5社の全チームは、イスラエルにあるマイクロソフトの研究開発部門に移行する予定です。
通常、アプリやWebサイトからビデオをストリーミングする場合、CDNサービスは、あなたの地域にある単一のサーバーから放送を送信します。一方、Peer5はeCDNソリューションを開発しました。P2Pベースの組織的なネットワーク上でコンテンツを配信します。Peer5は、ユーザーの地域にあるサーバーからビデオキャストを送信する代わりに、視聴者/ユーザーのコンピューティングシステムを使用して、視聴中にビデオをストリーミングします。つまり、我慢できないほどのバッファリングとの戦いにおいて、「皆は一人のために、一人は皆のために」という仕組みでデータの配信がおこなわれます。
このプロセスは、ブラウザにすでに組み込まれているWebRTC技術に基づいてサイト側で行われるため、ユーザーが何かをしたり設定したりする必要はありません。この2年間にビデオ会議を利用したことがある人なら、ビデオのバッファリングを待つ時間が数時間以上に及んだことは間違いないでしょう。これは、トレーニングセッション、スタッフミーティング、会議、医療相談、イベントなどの場合には、さらに大きな問題となります。そこでPeer5は、通話中のユーザー数に応じてバランスをとるメッシュネットワークを構築することで、企業ネットワークやビジネスアプリケーションへの影響を軽減し、コミュニケーションを円滑にするソリューションを提供します。
今回の発表を受けて、マイクロソフトは次のように述べています。「Microsoft Teamsが多くのお客様の主要なコミュニケーションおよびコラボレーション・プラットフォームとなるにつれ、大規模な会議やバーチャル・イベントのための、より統合されたeCDNソリューションを求める声が寄せられるようになりました。本日、Peer5を買収したことを発表できることを嬉しく思います。Teamsにおいて、最適化されたネットワークパフォーマンスで、安全で高品質な大規模ライブビデオストリーミングを配信する能力を拡大します。」
Peer5は、CEOのHadar Weiss、COOのGuy Paskar、CTOのShachar Zoharによって2012年に設立されました。この3人は、テルアビブ大学でコンピュータサイエンスを専攻しているときに出会いました。このイスラエルのスタートアップは、これまで目立った資金調達ラウンドを行っておらず、約10年間で450万ドルしか調達できておらず、最後のラウンドは2017年に行われました。このスタートアップから報告された評価額はありませんでしたが、マイクロソフトは、Peer5の既存の顧客が引き続き同社のサービスを利用することに言及しています。
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