イスラエルのバッテリー技術企業Addionics社、スマート3Dバッテリーで電気自動車分野の変革を目指す

2021-08-27

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世界の電気自動車(EV)の販売台数は、テスラを筆頭に増加傾向にありますが、EV市場はまだ小さく、2020年には世界の自動車産業の4.6%を占めるにすぎません。このようにEV市場が伸び悩んでいるのは、二次電池のコスト、物流、サイズなど、業界が直面している大きな課題に起因しています。自動車メーカーは、今後10年間でより多くの電気自動車を導入することに向けて大きく前進しています。この動きは、輸送部門を変革し、増大する気候危機に歯止めをかけることが期待されていますが、自動車メーカーとバッテリー技術の新興企業は、バッテリーをより効率的に、より煩雑にせず、より安価に、より長持ちさせるために取り組んでいます。(EV用バッテリーのリサイクル分野は、それ自体が成長市場となっています)

 

4年前にテルアビブとロンドンで設立されたイスラエルの新興企業Addionics社は、化学ではなく建築という異なる視点からこの問題に取り組んでいます。Addionics社は、スマートな3D電極を設計し、バッテリーの性能、容量、充電時間、寿命を向上させることができるとしています。

 

Addionics社の共同設立者兼CEOであるMoshiel Biton氏は、次のように述べています。「私たちは、化学的なものではなく、電極のアーキテクチャを変えようとしています」と述べました。そうすることで、Addionics社の技術は、バッテリー化学の種類にかかわらず、バッテリーの性能を向上させることができます。このソリューションを生産ラインに統合し、製造プロセスの中核となるコンポーネントにしたいと考えています。既存のバッテリー技術は、主にエネルギー貯蔵の問題から、将来のすべての電気自動車をサポートするには適していません。Addionics社の3D構造設計は、AIアルゴリズムとモデリングによって作られており、活物質をより多く搭載し、熱放散と冷却システムの起動を改善することで、高出力と高エネルギーを実現します。その現在のコレクタージオメトリーは、既存のバッテリーを悩ませている熱、エネルギー密度、機械的な課題に対応しています。3D構造の利点と可能性はかなり以前から知られていました。しかし問題は、それらの金属を製造するための費用対効果の高いスケーラブルな製造ソリューションを誰も見つけられなかったことですが、これこそが当社のコアIP(知的財産)なのです。私たちは、自動車の予想価格に相当する、あるいはそれ以下の低価格で、それらを製造・販売することができます。非常に高価な多孔質金属を開発している企業はいくつかありますが、それらは軍事用途など、価格に敏感でない産業でしか使用できません。Addionics社は、アーキテクチャと物理学に焦点を当てることで、競合他社が現在力を注いでいる化学分野だけでなく、バッテリーの拡張性と安全性を高めるためのレース全体に賭けています。私たちは化学的性質にとらわれないので、補完的なソリューションと考えることができます。この技術は、既存のバッテリーの安全性の問題にも対応しています。電池の化学的性質や部品、製造工程などに不均一性があると、電池の挙動や機能に問題が生じる可能性があります。不均一性は、高温やホットスポットの原因となり、バッテリーの劣化や故障、爆発につながる可能性のあるショートカットを引き起こす可能性があります。一見普通に見えるバッテリーの使い方でも、危険な場合があります。例えば、急速充電のために高すぎる電流を使用すると、バッテリーのオーバーヒートを引き起こす可能性があります。製造プロセスを改善し、高品質の材料を使用し、安定性と放熱性を向上させたバッテリーアーキテクチャを採用することで、安全問題のリスクを最小限に抑えることができます。」

 

Addionics社は、すでにOEM(相手先商標製品)メーカーやTier I企業と協力して、同社の技術を既存の組立ラインに組み込むことに取り組んでいます。今月、同社は、英国の技術・イノベーションセンターであるCPI(Centre for Process Innovation)、および工学・技術の知識移転を目的とした学術部門であるウォーリック大学のWMGと新たに提携し、リチウムイオン電池セルの性能および製造プロセスの改善に向けて協力することを発表した。この共同研究は、政府系イノベーション機関であるInnovate UKの支援を受け、Project STELLAR(Smart Three-dimensional ELectrode Lithium-ion batteries with Automated Robotics)と呼ばれています。このプロジェクトでは、Addionics社の3次元スマート電極を用いて、高性能な自動車用電池の製造を自動化し、経費、製造期間、電池コストを削減することに焦点を当てているとのことです。CPIは、ロボットシステムを使用した3D電極デザインの製造のスケールアップを支援し、製造はWMGが行います。

 

CPIエンタープライズのマネージングディレクターであるAlfredo Ramos氏は、次のように述べています。「よりクリーンな環境を目指すCPIのビジョンに強く賛同し、アディオニクスは持続可能なエネルギーシステムの構築を支援するために、次世代のエネルギーストレージを開発しています。Addionics社の化学だけではなく物理学に焦点を当てた革新的なアプローチは、既存のバッテリーの性能を一変させることを約束します」

 

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